国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、観音台第7事業場隔離ほ場において、平成30年4月24日(火曜日)に田植えを行い、遺伝子組換えイネ(複合病害抵抗性イネ)の第一種使用等(※)による栽培を行ってきました。
この度栽培が終了しましたので、種子等の拡散防止措置、収穫以降の処理及び花粉飛散による交雑調査に関してお知らせします。また、本遺伝子組換えイネは、いもち病抵抗性検定のため、同隔離ほ場の畑ほ場において、5月31日(木曜日)に直播種(種まき)し、栽培を行いました。栽培実験計画書では畑ほ場において二回の作付けを計画しておりましたが一回のみの栽培となりましたので、併せてお知らせします。
なお、第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針に基づき実施したモニタリング措置による交雑調査の結果、交雑粒は見つからなかったことをお知らせします。
※第一種使用等:「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づいた開放系(水田・畑ほ場)での使用
種子等の拡散防止措置
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水田 :防鳥網設置 平成30年4月24日(火曜日)
防鳥網撤去 平成30年9月13日(木曜日) -
畑ほ場 :防鳥網設置 平成30年5月31日(木曜日)
防鳥網撤去 平成30年 8 月1日(水曜日)
収穫以降の処理(水田)
- 収穫(稲刈り) 平成30年9月10日(月曜日)
- 収穫作業は、穂数と地上部長さの計測を行い系統別に植えられた株ごとに刈り取りました。その後、隔離ほ場内実験棟において自然乾燥させました。
- 収穫物(稲穂・種子)は、密閉容器に入れ研究室に移動し、法令に定める方法で保管して今後実施予定の様々な試験に使用します。なお、畑ほ場へ播種をした遺伝子組換えイネについては、8月1日(水曜日)に開花前に鋤込んだため、収穫物はありません。
- 調査等を終えたイネの残渣(ワラ等)は、隔離ほ場内で乾燥後に焼却しました。
- 水田内に残った残渣(ワラ・切り株・ヒコバエ等)及び地下部を隔離ほ場水田内に鋤込み処理しました。
交雑調査(水田)
- 調査方法(モニタリング用指標作物配置期間:平成30年7月12日(木曜日)~8月14日(火曜日))
- 隔離ほ場を囲むように、敷地境界6箇所に開花期が重複する指標作物「モチミノリ」及び「関東糯236号」を植えたポットを設置しました。なお、畑ほ場へ播種した遺伝子組換えイネについては、開花前に鋤込んだため、花粉の飛散はありませんでした。
- 調査結果
- 指標作物から収穫した種子12,474粒を調査した結果、キセニア現象を生じていたものは0粒で、交雑は認められませんでした。