果樹茶業研究部門

育成品種紹介

八里(やさと)

関東で8月上~中旬に成熟し、「幸水」の前に収穫される青ナシです。果面のさびが少なく、無袋でも外観がきれいに仕上がります。

主要特性

  • 「幸水」の前に収穫できる早生の青ナシで、関東地方以西では8月上~中旬に成熟します。
  • 樹勢は強く、短果枝の着生はやや多く、えき花芽の着生は中程度です。
  • 果形は円楕円で、果実重は300g前後です。肉質はち密で軟らかく、糖度は12%前後あり、pHは4.8程度とやや低く食味上酸味を感じます。
  • みつ症の発生が多少見られますが、果肉の褐変を引き起こすことはほとんどありません。
  • 収穫期に後期落果が見られますので、適期収穫に努める必要があります。

「八里」の果実
「八里」の果実

「八里」の結実状況
「八里」の結実状況

「八里」の花
「八里」の花

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
3331
(1989年3月31日)
1900年1月 1日 2532
(1990年12月 5日)
18
(満了日:2008年12月 6日)
交配組み合わせ 旧系統名
八幸×75-23{二十世紀×リ-14(菊水×八雲)} ナシ筑波38号

栽培適地

ナシ栽培地帯のほぼ全域に適応します。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:なし農林14号

登録年月日:1989年6月1日

育成担当者

町田 裕、壽 和夫、佐藤義彦、梶浦一郎、小園照雄、阿部和幸、栗原昭夫、大村三男、志村 勲、清家金嗣、金戸橘夫、緒方達志

発表論文

果樹試験場報告21号, p.29-41(1991-09) : ニホンナシ新品種'八里'

果実日本46(2), p.14-16(1991): 新品種の栽培技術-ナシ八里-