果樹茶業研究部門

育成品種紹介

雲井(くもい)

成熟期は関東で8月中旬の品種です。品種名は両親の「石井早生」と「八雲」から一字ずつを取りました。

主要特性

  • 果実は大きさが300g内外でやや大きく、形は円形で揃いは良好です。
  • 果皮は「幸水」と同様に中間色を示します。果点が鮮明 であること、果梗が非常に長いことが特徴です。
  • 果実品質は肉質は緻密で軟らかく良好ですが、糖度が11%程度でやや低いです。
  • 成熟期は関東で8月中旬、親である「石井早 生」同様花粉がほとんどありません。
  • 樹勢は強健でやや直立性です。枝の発生はやや少なく、強い発育枝がします。短果枝の着生は良好で、整枝剪定は容易です。
  • 黒斑病抵抗性で、黒星病に対しても強いです。収穫時期がおそいと、心腐れの発生が認められるので収穫時期に注意を要します。

「雲井」の果実
「雲井」の果実

「雲井」の花
「雲井」の花

 
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間

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この品種は、種苗法による品種登録制度が行われる前に育成した品種です。 農林認定品種として登録されております。

交配組み合わせ 旧系統名
石井早生×八雲(いしいわせ×やくも)・・・交雑年:1939年 ロ-5

栽培適地

果実の甘味の点からみて、静岡県以南の暖地が適地です。

 

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:なし農林1号

登録年月日:1955年7月1日

育成担当者

梶浦 実、森 英男、森田義彦、佐藤敬雄、金戸橘夫、町田 裕

発表論文

園芸作物の新品種(農林省農林水産技術会議事務局発行), p.78-79(1967-3) : 雲井(品種解説シリーズ)

農耕と園芸10(9), p8(1955) : ナシの新品種「雲井」の特性

園芸学会雑誌 73巻6号, p.524-528(2004-11) : ニホンナシ'雲井'のS遺伝子型の再検討