「シャインマスカット」ってどんなブドウ?
ブドウを大きく分けるとヨーロッパブドウとアメリカブドウに分かれます。
ヨーロッパブドウの生食用品種はかみ切りやすい肉質を持ち、マスカット香と呼ばれる特有の香りを持つ品種や、皮ごと食べられる品種もあります。病害に弱く、生育中に果皮が裂ける裂果性を持つ品種も多いため、降雨の多い日本での栽培が難しく、これまで、広く栽培されてきませんでした。

一方、アメリカブドウは、病気に強く、降雨の多い日本でも栽培は比較的容易です。一般に果肉は噛み切りにくく、フォクシー香と呼ばれるアメリカブドウ独特の香りがあります。日本では、「デラウェア」、「キャンベルアーリー」、「ナイアガラ」などのアメリカブドウ品種が広く栽培されてきました。また、近年、広く栽培されるようになった「巨峰」や「ピオーネ」は、アメリカブドウとヨーロッパブドウを交配して作出された日本生まれの品種です。大粒で、肉質は両者の中間であり、フォクシー香を持っています。
「シャインマスカット」は、ブドウ消費を拡大するために、ヨーロッパブドウとアメリカブドウの交配を世代を重ねて行うことにより育成しました。ヨーロッパブドウの香りや食感、皮ごと食べられる性質と、アメリカブドウの栽培のしやすさをかなり兼ね備えた大粒品種です。種なし果実の栽培ができ、甘味が高くて酸味が少なく、日持ちの良い品種です。
品種登録 : 2006年
交配親 : ブドウ安芸津21号*×白南(ぶどうあきつ21ごう×はくなん)
*スチューベン×マスカットオブアレキサンドリアの交雑実生から選抜された系統
- 品種を開発した育成地(広島県東広島市安芸津町)における特性 -
収穫期 : 巨峰と同時期 (8月中下旬)
果粒の大きさ : 種なしで13g 程度
糖 度 : 18~19%
酸含有 : 0.3~0.4 g/100 ml
「品種・特性」に関する情報
- ブドウ新品種‘シャインマスカット’
[PDF] (果樹研究所研究報告7号 2008年3月) - ブドウ新品種’シャインマスカット’の品種特性
[PDF] (島根県_成果情報 H17) - ブドウの新品種「シャインマスカット」
(岡山県_農業研究所_試験研究主要成果果樹部門_H20) - 無核栽培の黄緑色系ブドウ「シャインマスカット」、「瀬戸ジャイアンツ」の果実特性
[PDF](長崎県_成果情報 H25) - ぶどう「シャインマスカット」の露地栽培における特性
[PDF](青森県_平成27年度普及する技術・指導参考資料 p.51-54)
- 育成品種紹介 :「シャインマスカット」
- その他の「品種・特性」に関する情報リスト
経済性に関する情報
- ブドウ‘シャインマスカット’の経済性と導入経過モデル
[PDF] (島根農業研究成果情報_H17) - 卸売市場におけるブドウ‘シャインマスカット’の産地間価格差と品質要因
[PDF] (日本フードシステム学会大会報告要旨_2013年度)