西日本農業研究センター

所長室だより -稲の三黄の期-

稲刈りのシーズン宿舎4階のベランダから西深津の圃場がほぼ全部見渡せる。
圃場の水稲が一面黄色になって収穫を今や遅しと待っている。
今が稲の「三黄の期」の三回目である。
今年は、田植え後はやや低温に推移し、一時は冷害が来ると予想した人もいたようだが、梅雨が明けると、一転連日の高温に見舞われた。
熱中症で倒れる人がたくさん出るほどであり、水稲など夏作物への高温の影響が心配された。
収穫してみると、やはり予想していたように、全国の水稲作況指数は98で若干不作となり、登熟も不良で一等米比率が低下したようだ。

さて、今年の水稲関係の研究結果はいかがであろうか。
設計で期待したような結果は出ているだろうか。
作物は、微生物や実験植物とは異なり、1年に1作しかできない。
だからこそ、設計が大切なのだ。
とはいえ、天気は気の向くままであり、なかなか設計通りには話が進まないのが、作物研究の面白さであろう。
12月の成績検討会での成果を期待したい。

平成22年11月
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
近畿中国四国農業研究センター所長
長峰司