研究活動報告

第68回(2023年度)日本土壌肥料学会賞を受賞しました。

情報公開日:2023年11月16日 (木曜日)

受賞年月日

2023年9月13日

業績

緑肥の総合的土壌改善機能の評価とその利用に関する研究

受賞者

唐澤敏彦(中日本農業研究センター温暖地野菜研究領域 有機・環境保全型栽培グループ長)

概要

緑肥とは、栽培後に収穫せず田畑にすき込み、次の作物の肥料にする植物のことです。自給肥料として古くから利用されていましたが、化学肥料の普及とともに栽培が減少していました。近年の肥料価格の高騰を受け、再注目されつつありますが、その効果を定量的に把握することは難しく、また効果のメカニズムも明らかになっていませんでした。
当該研究では、
・緑肥による土壌への有機物蓄積効果を定量的に示したこと
・緑肥栽培による養分の溶脱抑制や、すき込み後の分解・土壌養分有効化に関するメカニズムの一端(関与する土壌生物等)を解明したこと
・根を深く張る種類の緑肥を栽培することによる土壌物理性の改善効果も解明したこと
加えて
・緑肥作物の種類や環境条件ごとに、減肥可能量を定量的に示してマニュアル化し、普及に取り組んだこと
等が評価され、受賞に至りました。