研究活動報告

令和6年北農賞を受賞

情報公開日:2024年12月17日 (火曜日)

公益財団法人北農会主催の令和6年安孫子賞・北農賞贈呈式が、2024年12月16日(月)に札幌市内のホテルで開催され、農研機構は報文部門および技能部門で栄えある北農賞を受賞しました。

報文部門

受賞業績名

スマート育種ツール「HojoLook」

受賞者名

農研機構北海道農業研究センター 秋山 征夫

業績の概要

飼料作物育種において、罹病程度や草勢等の視覚情報に基づく評価項目は、評価者間で評価結果が一致しないことが課題でした。また、画像解析では視覚情報を客観化できるが、専門知識や技術が必要でした。
そこで、ドローン空撮画像を読み込み圃場のrGRVIを出力するアプリケーション「HojoLook」を開発するとともに、画像解析の理論と手法、「HojoLook」の使用方法をわかりやすく解説いたしました。
本成果では画像解析の専門知識や技術、その習得が不要であり、解析に要する作業時間も圃場あたり数分で、人の視覚による調査と比較して大幅に短縮されました。また、罹病程度や草勢等の視覚情報をこれまでより客観的に評価できるため、飼料作物育種に大きく貢献するものと期待されます。

受賞者写真
報文部門受賞者 : 秋山 征夫

技能部門

受賞業績名

テンサイ圃場試験サンプルの調査時に有用な効率的洗浄台の考案

受賞者名

農研機構北海道技術支援センター 樫村 和璃

業績の概要

テンサイ育種において根腐病抵抗性を評価するために、試験サンプル塊根の罹病程度を調査する必要があります。従来サンプルの洗浄は水を満たした容器内で手洗いしていましたが、腐敗部分が喪失しやすく作業者よりばらつきが生じることや洗浄水の交換に時間と労力が必要であることを問題として抱えていました。
これらの問題を解決するため、テンサイ塊根の試験サンプルを洗浄するノズル付きの洗浄台を考案しました。本洗浄台は材料費数千円、製作期間は約3日と簡易に自作できます。洗浄は洗浄水の噴射によるものとし、前面上部および側面にアクリル板を設置したことにより、洗浄条件や洗浄終了の判断が容易となり、作業者によるばらつきおよび腐敗部分の消失も減少しました。また、洗浄水の交換が不要になったことにより試験サンプルの洗浄時間は半減しました。これらのことにより、本洗浄台はテンサイ育種研究に大きく貢献しています。

受賞者写真
技能部門受賞者 : 樫村 和璃