研究活動報告

若手研究者イノベーション賞を受賞

情報公開日:2025年6月10日 (火曜日)

農業情報研究センター AI研究推進室 確率モデルユニット(併任:北海道農業研究センター寒地畑作研究領域 スマート畑作グループ)の Njane Stephen Njehia(ンジャネ・スティーブン・ンジェヒア)研究員らが、農業情報学会2025年度年次大会において若手研究者イノベーション賞を受賞しました。

受賞年月日

令和7年5月29日 (木曜日)

場所

京都大学(農業情報学会2025年度年次大会)

内容

受賞業績名

Low cost NTRIP-based RTK-GNSS base station for precise positioning

受賞者名

Njane Stephen Njehia(ンジャネ・スティーブン・ンジェヒア)
伊藤 淳士
吉田 光希
土屋 史紀

概要

北海道の十勝平野では、1戸あたり50~300ヘクタール規模の大規模農業がすでに進んでおり、これは日本の未来の農業モデルとも言える。現在、高精度な位置情報を提供するRTK-GNSS(誤差約3cm)を活用した自動操舵機能付きの自律型農業機械やドローンを活用して作物の生育を管理する技術が急速に普及しており、それらの技術の普及にはRTK補正情報の安定供給が不可欠である。RTK-GNSSを利用するためには商用GNSS補正サービスなどを契約する必要があるが、1契約あたり1台のデバイスしか利用できないなどの制約がある。複数台のトラクタやドローンを同時に用いる協調作業ではRTK―GNSS利用に係るコストが増大するといった問題があり、それを削減する技術が求められている。この課題を解決するために、複数のトラクタやドローンに対して同時にGNSS補正情報をIPアドレス付きのLTE SIMカードを用いて配信できる基地局を開発した。開発したシステムの測位精度を検証した結果、商用サービスと比較して同等以上であることが確認できた。本技術は、少子高齢化・労働力不足への対応として期待されるスマート農業をより実用的かつ持続可能なものとする鍵である。

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Njane Stephen Njehia
(ンジャネ・スティーブン・ンジェヒア) 研究員
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賞状写真