研究活動報告

農業食料工学会 2025年度「森技術賞*(第49回)」を受賞しました

情報公開日:2025年10月 2日 (木曜日)


 *)森技術賞は、農業食料工学会の中でも技術革新と社会実装を重視した賞であり、単なる研究成果だけでなく、現場での実用性や普及効果が評価されます。

●受賞対象となった成果

 大豆用高速畝立て播種機の開発

●受賞者

  • 重松健太(農業機械研究部門 無人化農作業研究領域 小型電動ロボット技術グループ)
  • 難波和彦(岡山大学大学院環境生命科学研究科)
  • 山田祐一(農業機械研究部門 無人化農作業研究領域 革新的作業機構開発グループ)
  • 後藤隆志(元農業機械研究部門研究部長)
  • アグリテクノサーチ(株)
  • 小橋工業(株)

●成果の概要

 大豆は、国民の食生活に不可欠な作物ですが、その自給率は7%と低く、生産量も長年低迷しています。原因として、水田転換畑における生育初期の湿害が挙げられます。大豆は生育初期に乾燥状態を好みますが、播種時期は5月下旬~7月上旬で梅雨期と重なり、土壌が湿潤状態となりやすく、出芽や初期生育が阻害されます。本技術で対象とする畝立て栽培はその対策の一つで、土を寄せて形成した畝の頂部に播種することで土壌水分を低減し、湿害を軽減します。従来技術はロータリ式で作業速度が0.6m/s程度と遅く、近年の生産者当たりの作付面積拡大や短い播種作業可能期間への対応が困難となっていました。そこで、2倍以上の作業速度である1.5m/sの高速作業を可能とする新たなディスク式の畝立て播種機を開発し、その機構、性能評価及び現地での実証効果を論文に取りまとめました。なお、開発機は共同受賞のアグリテクノサーチ(株)と小橋工業(株)から分担市販されています。

●受賞年月日

 2025年9月12日