研究活動報告

経済産業省の令和7年度産業標準化事業表彰を受賞しました

情報公開日:2025年10月29日 (水曜日)


イノベーション・環境局長表彰

●受賞者

  • 紺屋秀之(農業機械研究部門 システム安全工学研究領域 兼 安全検査部)
  • 田中正浩(農業機械研究部門 システム安全工学研究領域)

●業績概要

iam_20251021_01.png紺屋秀之氏は、農研機構農機研が公的試験として実施しているロボット・自動化農機検査について、検査方法・基準の企画・策定段階から主体的に携わり、これまで120型式以上の検査・認証を実施してきました。また、農林水産省の『農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン』の策定にも大きく貢献しました。更にISO 18497:2018(農業機械類及びトラクタ-高度に自動化された農業機械の安全-設計原則)の改訂にTC23(農林業用トラクタ及び機械)のエキスパートとして携わり、農研機構が開発したロボット・自動化農機検査の方法及び基準掲載の提案が承認され、ISO 18497:2024(検査方法と検査原則)の発行に至りました。今後、日本の農機メーカーによる安全なロボット農機の輸出への貢献が期待されます。

iam_20251021_02.png 田中正浩氏は、日本発の国際規格として2014年に発行されたISO13482(サービスロボットの安全要求事項)の初めての改訂において、国内規格を反映させた身体アシストロボットに関する安全要求事項等の原案の作成・提案に携わりました。現在、TC299(ロボティクス)/WG2(サービスロボット安全)のエキスパートとして、粘り強く我が国の規格や製品事情、市場実態等の反映や整合に努めており、国際競争力の確保に貢献しました。本規格は、現在最終国際規格案(FDIS)の段階にあり、規格(IS)としての発行の目途もついています。将来、安全人間工学分野の標準化を支える第一人者となることが期待されます。

標準化活動は、規格発行のための合意に向けた調整に時間がかかること、規格発行後も各国の戦略で修正案が提案されたり、技術の進歩に対応して新たな技術委員会(TC)や作業部会(WG)が立ち上げられ、5~10年ほどで策定や改訂が行われたりすることから長期的・継続的な取り組みが必要です。今回その取り組みに尽力した2名の研究者が評価されたことと併せて、産業分野の標準化活動としてスマート農業関係から選定されたことは喜ばしいことです。(PD長﨑)

●受賞年月日

2025年10月21日

https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/keihatsu/hyosho/index.html