研究活動報告

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞

情報公開日:2023年8月16日 (水曜日)

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰にかかる表彰式が4月19日(水)、文部科学省で開催され、農研機構果樹茶業研究部門の杉浦俊彦グループ長補佐が科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞しました。

受賞者

杉浦俊彦  (果樹茶業研究部門 果樹生産研究領域 果樹スマート生産グループ グループ長補佐)

受賞業績

「気候変動に対応する農業生産技術の振興」

気候変動は農業に甚大な影響を及ぼす。しかし、2000年代初期では、生産者や研究者から遠い未来の問題と捉えられ、対策研究はほとんど行われていなかった。
本活動は、日本の農業において、気候変動の影響が2000年頃から顕在化していることを、全国での実態調査や、果実品質に関する栽培記録の統計解析等を通じて、初めて明らかにした。また、将来の気候変動シナリオを用いて、果樹の栽培適地が移動し、生産継続が困難になる産地があることを示した。これらにより、品種や品目変更など対策の必要性を明確にし、対策技術の確立にも尽力した。
活動により、品質低下など温暖化の影響を低減する技術や品種の開発が精力的に進められたことに加え、生産者の意識改革により、生産現場での対策も実践されつつある。将来予測は、行政面において気候変動適応計画策定等に活用され、また、多くの報道を通じ、国民の気候変動に対する理解の深度化に寄与している。
本成果は、亜熱帯果樹生産など、気候変動を活用した新たな産業創出や、気候変動の影響をわかりやすく示すことによる環境教育に寄与することが期待される。

受賞年月日

令和5年4月19日

表彰状写真
受賞写真
受賞者写真