研究活動報告

個体群生態学会 奨励賞を受賞しました。

情報公開日:2023年4月24日 (月曜日)

賞の名称

個体群生態学会 奨励賞

受賞年月日

2022(令和4年)10月2日

業績

シロアリの社会と個体群におけるオスの意義

受賞者

農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門 基盤防除技術研究領域 海外飛来性害虫・先端防除技術グループ
矢代 敏久

研究の概要

本来はオスとメスが共同で社会を営む昆虫であるシロアリにおいて、メスしかいない個体群を世界で初めて発見しました。この発見によって、両性共存社会からオスが喪失しても社会は存続し得ることが示され、両性共存社会を持つ動物においてもオスは必ずしも不可欠な存在ではないことが明らかになりました。
また、シロアリにおいて、メスによるオスの干渉を受けない新たな受精制御機構を発見しました。この発見によって、メスはオスの存在下であってもメスの都合次第で単為生殖を行い得ることが明らかになり、新たな単為生殖の進化経路が示されました。
これらの発見は、動物の社会や個体群におけるオスの意義を理解する上で独創的かつ重要な視点を生み出しました。