賞の名称
日本応用動物昆虫学会 奨励賞
受賞年月日
2023年(令和5年)3月13日
業績
水稲・大豆主要害虫の生態および抵抗性進化に関する研究
受賞者
農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門 基盤防除技術研究領域
海外飛来性害虫・先端防除技術グループ 藤井智久
概要
トビイロウンカは水稲作の重要害虫です。2005-2017年までの日本飛来個体群および東アジア地域のトビイロウンカ個体群のネオニコチノイド系殺虫剤5剤の半数致死薬量(LD50値)のデータと、イミダクロプリド抵抗性系統を用いた室内実験より、トビイロウンカがイミダクロプリド抵抗性を発達させると、チアメトキサムとクロチアジンに対する強い交差抵抗性が見られるが、ジノテフランとニテンピラムに対する交差抵抗性は弱いことを明らかにしました。2001-2019年までの日本飛来個体群における抵抗性判別品種に対する加害性の調査から、トビイロウンカは抵抗性遺伝子を複数もつ品種に対する加害性を獲得できないことを明らかにしました。このようなイネ品種ではウンカ抵抗性利用を持続させることが期待できます。これらトビイロウンカの一連の研究と、大豆作の害虫であるダイズサヤタマバエの発育ゼロ点の研究を評価されて、本学会の奨励賞受賞に至りました。

