研究活動報告

西日本農業研究センターにおけるJGAPの取り組み

情報公開日:2023年1月20日 (金曜日)

西日本農業研究センター大田研究拠点は、令和4年10月28日にJGAP認証を取得しました。当拠点では、現在、黒毛和種牛の「放牧育成-肥育の一貫生産体系技術」の研究と開発実証を行っていますが、JGAPに従った生産工程管理を導入し、生産物の安全性および品質の確保に努めています。

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当拠点では、「人にやさしい、家畜にやさしい、環境にやさしい」をテーマに、農林水産省が進める「国際水準GAPガイドライン」で示されている「食品安全、環境保全、労働安全、人権保護、農業経営管理」の5分野における法令を遵守し、健全な農場運営に努めます。

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さらに、中山間地域の持続的な資源循環を促進するため、荒廃農地の再生技術、地域飼料資源の活用技術、およびICT機器を導入した肉用牛の周年放牧技術の開発にも取り組みます。

これらの取り組みを通じてSociety 5.0の目指す「さまざまな制約から解放され、誰もが、いつでもどこでも、安心して、自然と共生しながら、価値を生み出す社会」の実現、およびSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献したいと考えています。

用語解説

1.JGAP
GAPとはGood Agricultural Practicesの頭文字を取ったものであり、直訳すると「良い農業の取り組み」となります。農林水産省では農業生産工程管理と呼んでいます。具体的には、① 食品安全、② 農場管理、③ 環境保全、④ 労働安全、⑤ 家畜衛生、⑥ アニマルウェルフェア、⑦ 人権の尊重の7つの取り組みを通じて、持続的な農業を実現します。JGAPはGAPのひとつで、農場やJA等の生産者団体が活用する農場・団体管理の基準であり、認証制度です。農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理の手法のひとつです。(日本GAP協会のHPより、一部改変)

2.Society 5.0
Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)を指します。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会であり、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。(内閣府のHPより、一部改変)

3.SDGs
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に基づき、2030年までに実現を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本でも積極的に取り組みが進められています。(外務省のHPより、一部改変)