メッシュ農業気象データをエクセルに取り込むためのモジュール

要約

本プログラムは、農研機構メッシュ農業気象データを取得する機能をエクセルファイルに追加するものであり、これにより気象データを利用する独自のエクセルファイルを用いたアプリの開発が可能になる。

  • キーワード:農研機構メッシュ農業気象データ、エクセル(表計算ソフト)
  • 担当:北海道農業研究センター・生産環境研究領域・寒地気候変動グループ
  • 代表連絡先:電話011-857-9212
  • 分類:普及成果情報

背景・ねらい

都道府県の研究所、普及センター等では、気象データを用いた営農を支援する情報として、各種作物の生育や収量の予測、収穫適期の予測、病害虫の初発予測などを計算するアプリケーションを作成しているが、その多くは、広く利用されている表計算ソフトであるMicrosoft社のExcel(エクセル)を使用している。このようなアプリケーションでは、別途気象データを用意してコピーし、それをエクセルシート上に貼り付けて入力する必要があり、手間のかかる作業となっていた。そこで、気象データを必要とするエクセルアプリケーションに、直接「メッシュ農業気象データ」を取得する機能を備える、エクセル用の組み込みモジュールを作成する。

成果の内容・特徴

  • 気象データを使用する既存のエクセルファイルに、農研機構メッシュ農業気象データの取得機能を加えることが可能で、一つのエクセルファイル(アプリ)として完成させることができる。
  • 本プログラムの機能は、2つのシート(「ID_パスワード入力」、「Mesh設定」)と1つのVBAスクリプトにより構成されており、これらの移行先のエクセルファイルに、メッシュ農業気象データの取得機能を備えることができる(図1)。
  • 「ID_パスワード入力」シートに、農研機構メッシュ農業気象データの利用登録者に付与されるIDとパスワードを入力することで、データ取得が可能となる。
  • 「Mesh設定」シートに、設定項目(1.ボタン名、2.緯度、3.経度、4.取得開始日、5.取得最終日、6.要素、7.平年値、8.出力シート、9.出力セル、10.縦か横か、11.2/29の扱い)を入力して使用する。1つの設定を1行に入力し、最大10000行まで設定して使用可能である(図2)。
  • データ取得を行う「ボタン」を作成し、「Mesh設定」シートに入力した「1.ボタン名」と対応する名前をつける。このボタンを押すと、「1.ボタン名」が同じ設定値に基づき、メッシュ農業気象データを取得できる。

普及のための参考情報

  • 普及対象:全国の農業者、公設試験場、普及組織、アプリケーション開発業者
  • 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:日本全国で利用可能
  • その他:
    • メッシュ農業気象データの利用には、利用者登録サイトで、利用登録を行う必要がある。
    • このモジュールはメッシュ農業気象データの利用情報ページからダウンロードできる。
    • このモジュールの開発版を組み込んだ成果例として、「メッシュ農業気象データ版牧草播種晩限日計算プログラムhttp://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/121104.html」(農研機構、2018年)や、「飼料用トウモロコシ収穫適期予測システム」(北海道立総合県研究機構、2019年)がある。

具体的データ

図1 組み込みモジュールの使用手順,図2 「Mesh設定」シートの設定一覧部分

その他

  • 予算区分:交付金、その他外部資金(SIP)
  • 研究期間:2018年度
  • 研究担当者:根本学
  • 発表論文等: