飼料生産工程管理システムQAgriSupportと連携するモバイルアプリケーションForegis

要約

経営者や作業責任者がQAgriSupportで策定した作業日程計画に基づき、オペレータの所有するモバイル端末で作業内容・対象圃場の指示をメールで受信し、現場確認、作業実績の報告を行うことができる。QAgriSupportとともに無料利用可能である。

  • キーワード:工程管理、GIS、飼料生産、コントラクター、トレーサビリティ
  • 担当:北海道農業研究センター・水田作研究領域・経営評価グループ
  • 代表連絡先:
  • 分類:普及成果情報

背景・ねらい

個別経営を支えるコントラクター組織の展開や、法人経営における規模拡大を背景に、農業生産においても適切な工程管理により、計画の策定、指示、報告、進捗把握、計画の修正を行うPDCAサイクルが求められている。農研機構では、デスクトップPC上で作業日程計画の登録、作業者への指示、作業日報の登録、作業の進捗管理等を行える、無料で利用可能な地図ベース工程管理システムQAgriSupportを開発・公開しているが、本研究ではそれと連携するモバイル端末アプリケーションを開発し、工程管理における計画~指示~実績報告のさらなる円滑化を図る。

成果の内容・特徴

  • Foregisは、工程管理システムQAgriSupportで策定された作業日程計画に基づく作業指示を、オペレータが所有するモバイル端末でメールを介して受信し、現場確認、作業実績の報告を行うことができるAndroid/iOSモバイル端末対応アプリケーションである(図1、2)。
  • 対象が稲WCS等のロールベールサイレージの場合、ロールベールにQAgriSupportで印刷したQRコードラベルを添付し、収穫圃場と紐づけることで、製品品質や作業履歴等の追跡が可能である(図3)。また、コントラクター等の大規模飼料生産組織では近年、生産物の販売機能を担うことも多いが、QRコードラベルを利用することで出荷・検品管理も可能である(図4)。
  • QAgriSupportとForegis間でのデータ連携はメールを介して行われるため、クラウドサーバーを必要とせず、QAgriSupportとともに無料で利用可能である。なお、Foregisの利用にはQAgriSupportが必要である。

普及のための参考情報

  • 普及対象:飼料生産コントラクター、飼料生産を行う大規模法人
  • 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国のコントラクター等50組織
  • その他:
    • ForegisはGoogle Play Store 及びApple App Storeでそれぞれ無料で入手・利用可能である。(それぞれのストアでForegisで検索。)
    • https://github.com/KazushiNishimura/QAgriSupportにてデモ用データを配布中である。
    • Foregisは(株)フロッグポッドと農研機構の共同著作物である。

具体的データ

図1 QAgriSupportと連携したForegisの利用イメージ,図2 Foregis側での作業計画の表示と実績入力,図3 QRコードラベルを利用した作業履歴・製品品質の追跡,図4 QRコードラベルを利用した出荷・検品管理

その他

  • 予算区分:交付金、その他外部資金(28補正「経営体プロ」)
  • 研究期間:2016~2020年度
  • 研究担当者:西村和志、田口直樹((株)フロッグポッド)、喜田環樹、川出哲生、松尾守展、阿部佳之
  • 発表論文等:
    • 西村ら(2020)職務作成プログラム「Foregis」(機構A-41)
    • 農研機構(2020)「水田飼料作を基盤とする資源循環型牛乳・牛肉生産の手引き-収穫調製流通編-」