小型汎用コンバインの子実用トウモロコシ収穫キット

要約

開発した子実用トウモロコシ収穫キットは小型汎用コンバインを標準ヘッダのままで刈取り性能と脱穀性能を向上させ、多収の子実用トウモロコシの安定収穫を可能とする。

  • キーワード : 子実用トウモロコシ、小型汎用コンバイン、適応拡大、収穫キット、水田輪作
  • 担当 : 中日本農業研究センター・水田利用研究領域・作物生産システムグループ
  • 代表連絡先 :
  • 分類 : 普及成果情報

背景・ねらい

近年、水田転換作物として子実用トウモロコシの生産が拡大している。北海道や東北地方などの大規模生産地では外国産や国産の大型の普通コンバインに専用のコーンヘッダ等を利用するか、刈幅2.0~3.2mの普通コンバインにコーンキットを装着して収穫が行われている。しかし、中小区画のほ場が分散している中小規模生産地で利用される刈幅1.7~2.0mの小型汎用コンバインは子実用トウモロコシに適応しておらず、その収穫精度は低い。そのため、子実用トウモロコシ収穫時の刈取り性能・脱穀性能を向上させる小型汎用コンバイン用の収穫キットを開発する。

成果の内容・特徴

  • 本キットはディバイダガイド、専用リールタイン、ヘッダガイド、コンケーブ追加プレート、ロータ用抵抗プレート、ロータ駆動プーリ、ファン回転変更用プーリによって構成される(図1)。
  • 専用リールタインでトウモロコシを強制的にかき込み、ディバイダガイドでトウモロコシ茎を倒れないように維持して刈刃へ誘導し、刈取りを行う。ヘッダガイドはヘッダでの刈り取ったトウモロコシの滞留を抑制させる。以上の部品により刈取り時の頭部損失を低減させる(図2左)。
  • コンケーブ追加プレートとロータ用抵抗プレートは雌蕊(しずい)からの子実の脱穀性能を向上させる。ファン回転変更用プーリはファンの回転速度を上げ、選別性能を向上させる。ロータ駆動プーリはこぎ胴内のロータ回転速度を減速させ、子実の損傷を低減させる。以上の部品により脱穀選別性能を向上させる(図2右)。
  • 本キットを利用した「ニューデント100」の収穫作業では、刈高さ60cmで収穫作業速度0.4~1.0m/sの場合、頭部損失0~2%、脱穀選別損失0.2~1.5%程度であり(図3)、1時間当たり20aの収穫が可能である。

普及のための参考情報

  • 普及対象 : 子実用トウモロコシ生産者
  • 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等 : 国内の中小規模生産地、50セット(2025年度)
  • その他 : 三菱マヒンドラ農機株式会社より小型汎用コンバインVCH750のオプション「コーンキット(標準仕様、刈幅1,700mm、K-VCH75COR、W仕様、刈り幅2,080mm、K-VCH75WCOR)」として、ロータ駆動プーリは「ハトムギキット(部品扱い)」、ヘッダガイドは「ガイドキット(K-VCH75CORG)」として販売中である。子実用トウモロコシの収穫作業にはこれらのキットとともに「標準共通キット(K-VCH75K)」が必要となる。キットの取付けは生産者が自分で行うことも可能である。

具体的データ

図1 子実用トウモロコシ収穫キット,図2 子実用トウモロコシ収穫キットを装備した小型汎用コンバインによる収穫風景(左)、キットを取り付けたこぎ胴部(右),図3 子実用トウモロコシ収穫キットを利用した収穫作業における収穫物の損失割合

その他

  • 予算区分 : 民間資金等(資金提供型共同研究)
  • 研究期間 : 2017~2021年度
  • 研究担当者 : 加藤仁、関正裕、木村敦(三菱マヒンドラ農機株式会社)、松本大(三菱マヒンドラ農機株式会社)
  • 発表論文等 : 加藤ら、特願(2021年10月19日)