土壌表面画像を用いた土壌砕土率マップの作成方法

要約

耕起作業と同時に取得した位置情報付きの土壌表面画像を用いて砕土率を推定し、圃場全体の砕土率マップを作成する技術である。この技術を活用することで、圃場間および圃場内の砕土性が簡易かつ定量的に把握でき、省力的・合理的な耕起作業を実施することが可能となる。

  • キーワード : 画像解析、砕土率、作業軌跡、転換畑、マップ
  • 担当 : 中日本農業研究センター・転換畑研究領域・畑輪作システムグループ
  • 代表連絡先 :
  • 分類 : 研究成果情報

背景・ねらい

水田転換畑では、畑地に比べて砕土性が悪く、大豆や麦類の播種に適した砕土率を得るための耕起作業に多くの時間を要する。砕土性の良い地点では耕起作業を高速化し、砕土性の悪い地点では事前の排水対策の実施や丁寧に耕起するなど、圃場状態に適した耕起作業を実施することができれば、全体の耕起作業時間を削減することができる。砕土性の定量化には砕土率(直径2cmのふるいを通過する土塊の重量割合)が用いられるが、現時点では砕土率の測定に人手と時間がかかり、圃場全体の砕土状況を把握することができない。そこで、耕起作業の大幅な合理化・省力化に向けて、生産者が圃場全体の砕土状況を面的に把握するための砕土率マップを簡易に作成する方法を開発する。

成果の内容・特徴

  • 土壌砕土率マップの作成方法の概略を図1に示す。
  • 初めに、撮影用カメラ、GNSSアンテナ、対地距離センサで構成される砕土率計測システムを作業機に取り付ける。計測ボックスには動作用のバッテリと制御用のマイコンが搭載されており、耕起作業をしながら土壌表面画像と位置情報等が自動的に記録される(図2)。
  • 次に、記録されたデータから圃場内の小区画(メッシュ)毎に対応した位置情報付きの土壌表面画像を抽出し、これを画像解析することで、砕土率を推定する(図3)。
  • 砕土率の推定に使用した土壌画像が撮影された位置に推定砕土率をマッピングすることで、圃場全体の砕土率マップを作成する(図4)。

成果の活用面・留意点

  • 本技術を用いることで、圃場間および圃場内の面的な土壌の砕土性を簡易かつ定量的に把握することができる。砕土率マップを活用することで、大豆や麦類の播種に適した砕土率が得られているかの検証に加えて、砕土性が低い圃場での事前の排水対策の実施や砕土性を考慮した耕起速度の選択が可能となる。
  • 砕土率が40%以下の場合は、実測値と推定値の乖離が大きくなる場合がある。しかしながら、播種前の耕うんの目標砕土率は70%であり、極端に砕土率が低い圃場でなければ、有用な砕土率マップが得られる。

具体的データ

その他

  • 予算区分 : 交付金、PRISM、BRIDGE
  • 研究期間 : 2021~2024年度
  • 研究担当者 : 草佳那子、建石邦夫、大野智史、髙橋智紀、髙本慧、望月秀俊、中野恵子、関矢博幸
  • 発表論文等 : 建石ら、特願(2024年3月19日)