要約
短節間性および株元着果性に優れ、露地抑制作型にも向く品種である。整枝作業をしなくても着果位置が揃うため果実が見つけやすいことから、生産者の管理作業や収穫作業時の軽労化が可能である。また、果肉が厚く粉質性に優れることから、良食味のカボチャ品種として普及が期待される。
- キーワード : カボチャ、短節間性、株元着果性、露地抑制作型
- 担当 : 北海道農業研究センター・寒地野菜水田作研究領域・野菜水田複合経営グループ
- 代表連絡先 :
- 分類 : 研究成果情報
背景・ねらい
これまでにカボチャ栽培の省力化のために短節間性品種を開発してきたが、加工業者からの国産カボチャの周年供給に対する強い要望に応えるためには、抑制作型に向く品種の開発が必要となる。しかし、既存の短節間性品種を露地抑制作型で栽培した場合、高温等により雌花の着花が不安定になり株元に着果せず、着果位置が揃わないなどの問題が生じていた。そこで環境要因によらず安定して株元に着果し、栽培や収穫作業の軽労化が可能な短節間性品種を開発する。
成果の内容・特徴
- 生態的特性:「栗のめぐみ2号」の雌花および雄花の開花時期は「えびす」および「ジェジェJ」とほぼ同じである。株元からの着果距離は「えびす」および「ジェジェJ」より短い。株当たりの果実数は「ジェジェJ」とほぼ同程度で「えびす」より少ない(表1)。鹿児島県における栽培試験では、早熟作型および抑制作型のいずれでも「栗のめぐみ2号」は「えびす」よりも着果距離が短く、株当たりの果実数は「えびす」より少ない(表2)。
- 形態的特性:「栗のめぐみ2号」の主枝の伸長はおよそ15節までの節間が詰まり、短節間性品種に特徴的な草姿を示す。生育中期以降から徐々に主枝が伸長し普通草姿となる。また、「栗のめぐみ2号」の側枝の発生は「えびす」の約半分と少なく、「ジェジェJ」と比較しても少ない傾向を示す(表1)。
- 果実特性:「栗のめぐみ2号」の果実重量は「えびす」および「ジェジェJ」と同等であり(表1)、果実形は「えびす」や「ジェジェJ」と同じ扁円である。果面の地色は黒緑で、淡緑条の模様がある。果肉の厚さは「えびす」や「ジェジェJ」とほぼ同程度ないしやや厚い傾向にある(表1、図1)。果肉糖度は「えびす」と同程度で「ジェジェJ」よりも低い。果肉の粉質度の指標となる乾物率は「えびす」より高く「ジェジェJ」に比べてやや低い(表1)。鹿児島県における栽培試験では、早熟作型および抑制作型のいずれでも「栗のめぐみ2号」の果実重量は「えびす」より重く、特に「えびす」では早熟作型に比べて抑制作型での果実重量が小さくなったのに対し「栗のめぐみ2号」は抑制作型でも果実重量の変動が少なく、抑制作型に適した品種である(表2)。
成果の活用面・留意点
- 国内のカボチャ産地における露地抑制作型ならびに普通作型での栽培に利用できる。
- 病害虫に対する抵抗性は既存品種と同程度なので、防除を適宜行う。
- 種子は2025年度より販売予定である。
具体的データ

その他
- 予算区分 : 交付金、民間資金等(資金提供型共同研究)
- 研究期間 : 2018~2023年度
- 研究担当者 : 嘉見大助、村田奈芳、中嶋香織、杉山慶太、小倉健生(朝日アグリア)、辻あづみ(朝日アグリア)、向吉健二(鹿児島県農総セ)
- 発表論文等 : 村田ら「栗のめぐみ2号」品種登録出願番号第37608号(2024年12月20日)