キャベツ直播栽培の間引き作業時間を短縮可能な播種方法

要約

キャベツの直播栽培において、慣行の株間40cmの2粒播き方法と比較して、株間を10cmと30cmの交互に1粒播きする方法は、間引き作業時間を短縮できる。同播種方法で、2葉期よりも6葉期に間引き作業を実施すると、間引き作業時間がさらに短縮でき、収量は同等である。

  • キーワード : キャベツ直播栽培、株間、間引き作業時期、播種方法、作業時間
  • 担当 : 九州沖縄農業研究センター・暖地畑作物野菜研究領域・畑作物・野菜栽培グループ
  • 代表連絡先 :
  • 分類 : 研究成果情報

背景・ねらい

近年の農家数減少を背景に一農家あたりの作付け面積が増大している状況のもと、直播栽培は育苗と移植作業が不要なため、栽培省力化や規模拡大に適した栽培方法として注目されている。しかし、直播栽培では欠株防止のために多めに播種して間引きする場合が多く、間引き作業に労力を要する点が問題となっている。そこで、本研究では、間引き作業を省力化するためにキャベツの播種方法と間引き作業時期に着目し、これらが間引き作業時間と生育・収量に及ぼす影響を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • ベルト式点播機のベルトリンク配列を変更することで、株間を10cmと30cmの交互に1粒播きする方法に設定することができる(図1)。
  • 株間を10cmと30cmの交互に1粒播きする方法では、慣行の直播栽培よりも間引き作業時間が短縮される(図2)。また、2葉期よりも6葉期に間引きすると、2苗の生育差が大きいため間引き対象の選択が早まり、間引き作業時間がさらに短縮される(図2)。
  • 株間を10cmと30cmの交互に1粒播きする方法では、慣行の直播栽培と同等以上の結球重が得られる(表1)。株間を10cmと30cmの交互に1粒播きすると、間引き作業後の株間は最小30cm、最大50cmに変動するが、収量とそのばらつきには影響しない。

成果の活用面・留意点

  • 本成果は、宮崎県都城市にある九州沖縄農業研究センター都城研究拠点の試験圃場における結果である。宮崎県都城市では、春播き栽培(3月播種)では6月中旬ごろに、秋播き栽培(11月播種)では5月中旬ごろに1.2kg以上の結球重が得られるが、品種の早晩性に応じて収穫適期が前後する(表1)。
  • 本成果は主に南九州地域で活用できるが、南九州地域の沿岸部で11月に播種すると、4月中旬ごろに収穫時期となる。他地域で活用する際は品種や作期等を検討する必要がある。
  • ベルト式点播機は、ベルトシーダー(株式会社向井工業、2020年供試)やタマネギ直播機(株式会社クボタ、2021と2022年供試)を使用できる。
  • 播種ベルトのギア比を変更すると、株間を調整可能である。
  • キャベツ種子はコート種子を使用する必要がある。
  • キャベツの直播栽培で安定的な収量を確保するためには、気象条件(播種直後の豪雨など)や出芽率の品種間差、生育のばらつきに注意する必要がある。

具体的データ

その他

  • 予算区分 : 交付金
  • 研究期間 : 2020~2023年度
  • 研究担当者 : 落合将暉、松尾健太郎、石井孝典
  • 発表論文等 : 落合ら(2022)農作業研究、57:83-89