要約
農業生物資源ジーンバンクが保有する微生物遺伝資源の特性や取扱方法、分類や同定に関する情報が記載された手引書である。1995年度から発行され、全47巻で、糸状菌・細菌・ウイルスなどの植物病原微生物36巻、発酵微生物・根粒菌など11巻を出版し、幅広い分野をカバーしている。
- キーワード : 農業生物資源ジーンバンク、微生物、特性、取扱方法、同定
- 担当 : 基盤技術研究本部・遺伝資源研究センター・微生物資源ユニット
- 代表連絡先 :
- 分類 : 研究成果情報
背景・ねらい
農業生物資源ジーンバンク事業では、食料・農業に関する菌、細菌及びウイルス等、多様な微生物遺伝資源を保存し配布している。これらの微生物は、種によって特性や機能が大きく異なり、取扱いにも特有の技術や知識を必要とする。そのため、単なる配布だけでなく、微生物の増殖、糸状菌における分生子の形成や性状解析の手法など、様々な問い合わせが数多く寄せられている。
そこで、所蔵微生物株に関連した様々な情報(ジーンバンクで実施されている取扱法や解析した塩基配列に基づく正確な分類・同定法、各微生物種に特有の情報)を記載した微生物ブックレットを広く社会に発信し、研究開発のための微生物遺伝資源の利用を促進する。
成果の内容・特徴
- 農研機構内外の各微生物の専門家によって執筆された微生物ブックレット「微生物遺伝資源利用マニュアル(ISSN:1344-1159)」である。1995年度より出版し、農業生物資源ジーンバンク事業のウェブサイトで公開している。今年度、第47号「植物ウイルスの特性とその利用(II)」を出版する(表1)。
- 植物病原微生物関連(計36巻、糸状菌20巻、細菌9巻、ウイルス6巻)の手引き書は、イネいもち病菌、カンキツかいよう病菌等、我が国で問題となっている病原微生物を幅広く網羅している。また、発酵微生物3巻、根粒菌等2巻など病原微生物以外の有用微生物についても出版されている(表2)。
- 微生物について、特性情報、詳細な取り扱い方法や、病原微生物により引き起こされる植物の病徴について、写真などを用いてわかりやすく解説しており、研究開発や教育など幅広い分野で活用できる。
- 各分野の詳細な情報を網羅するために、微生物遺伝資源ジーンバンク事業に関わる研究者のみならず、大学教員や公的研究機関の研究者等、各微生物の権威である専門家に執筆を依頼している。
- 第5中長期期間(2021/04/01~)のアクセス数は34万件以上あり、特に31巻「植物ウイルスの特性とその保存について」、42巻「バクテリオファージの取扱法」、32巻「野菜に病原性を示すSclerotium属菌」の順にアクセス数が多く(表3)、広く利用されている。
成果の活用面・留意点
具体的データ

その他
- 予算区分 : 交付金
- 研究期間 : 1995~2024年度
- 研究担当者 : 一木珠樹、埋橋志穂美、高島勇介、山﨑福容、佐藤衛
- 発表論文等 :