Meqタンパク質を検出する免疫組織化学的手法による野外鶏のマレック病確定診断の実証

要約

マレック病の腫瘍細胞を特異的に検出する抗Meqモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学による新規診断法により、これまで診断が困難であったマレック病の野外症例を正確かつ簡便に確定診断できる。

  • キーワード : 鶏、マレック病、リンパ腫、診断、免疫組織化学
  • 担当 : 動物衛生研究部門・衛生管理研究領域・病理・生産病グループ
  • 代表連絡先 :
  • 分類 : 研究成果情報

背景・ねらい

マレック病は届出伝染病であり、マレック病ウイルスの感染により鶏にリンパ腫を発症させる。食鳥検査でマレック病と診断された鶏は廃棄する必要があるため、養鶏産業の生産性に与える影響は大きい。国内で鶏にリンパ腫を生じる疾患は、T細胞性リンパ腫のマレック病とB細胞性リンパ腫の鶏白血病が一般的である。ウイルスに持続感染した鶏の一部がリンパ腫を発症するため、これらの疾患の診断には、PCR検査等のウイルス感染の証明は有効ではない。そのため、病理組織検査によるリンパ腫細胞の形態学的な評価で診断されているが、病変部の多様性や技術者の熟練度などのより、正確な診断が困難な場合がある。この問題を解決するため、我々はこれまでにマレック病の腫瘍細胞を特異的に検出する抗Meqモノクローナル抗体を作出し、免疫組織化学(IHC)による新規診断法を確立している。本研究では、1976年から2023年に国内で発生した野外の鶏リンパ腫104症例を用いて、本診断法の実用性を検証する。

成果の内容・特徴

  • 抗Meqモノクローナル抗体はIHCでT細胞性リンパ腫(マレック病)の腫瘍細胞に特異的に反応し、B細胞性リンパ腫(鶏白血病)の腫瘍細胞には反応しない(図1A-F)。
  • 6種類の抗Meqモノクローナル抗体と1種類のカクテル抗体(3A3-112、5F7-82、6B5-128を混合)による検出法を比較したところ、Meqの検出感度が最も高いのはカクテル抗体である(表1)。
  • マレック病の腫瘍組織は2種類、大小不同型(91%)と鶏白血病と類似した均一型(9%)が存在する(図1A、B)。

成果の活用面・留意点

  • 鶏リンパ腫の細胞形態のみに基づく診断は困難であり、IHCによるMeq検出はマレック病の野外症例の確定診断に有用である。
  • 抗Meq抗体は全国の家畜保健衛生所で活用される。

具体的データ

その他

  • 予算区分 : 交付金、文部科学省(科研費)
  • 研究期間 : 2022~2023年度
  • 研究担当者 : 黒川葵、山本佑
  • 発表論文等 : Kurokawa A. and Yamamoto Y. (2024) Avian Dis. 68(4):293-298