要約
大豆品種「そらみずき」は、米国の交配親「UA4805」由来の総節数と一莢内粒数の多さによる多収性と、標準的な日本品種と同等以上の子実外観品質を兼ね備える。一方で、一節莢数の少なさや、百粒重の小ささに改良の余地がある。
- キーワード : ダイズ、多収、米国品種、収量構成要素、子実外観品質
- 担当 : 作物研究部門・畑作物先端育種研究領域・畑作物先端育種グループ
- 代表連絡先 :
- 分類 : 研究成果情報
背景・ねらい
大豆品種「そらみずき」は、日本品種に米国品種の多収性を取り入れるために、「フクユタカA1号」と米国多収品種「UA4805」を交配親として育成され、複数の栽培試験で安定して多収であることが示されている。本研究では「そらみずき」を主要な日本品種及び米国の親品種と比較することで、多収をもたらす要因と今後改良すべき点を明らかにし、後続のさらなる多収品種育成に役立てることを目的とする。
成果の内容・特徴
- 「そらみずき」と「UA4805」は、「そらみずき」と同等の成熟期の日本品種「サチユタカA1号」と比較して百粒重は少ないが、総節数と一莢内粒数が多いことによって多収を示す(表1)。一莢内粒数の多さは、3粒莢の割合が多く、2粒莢の割合が少ないことに起因する(図1)。
- 「そらみずき」は一節莢数が少ないことにより、収量は「UA4805」には及ばない。一方で、子実の外観品質に関しては「そらみずき」が「UA4805」より優れる(表1)。
- 「そらみずき」と「UA4805」の群落吸光係数は「サチユタカA1号」より小さく、下層まで光が届きやすいことを示す(表2)。これは一葉あたりの面積が小さいことに起因する。これらの結果は、「そらみずき」と「UA4805」の受光態勢が優れることを示唆する。
成果の活用面・留意点
- 本研究は先導的な品種である「そらみずき」が米国親品種の多収性の一部を受け継いだが、一節莢数の少なさや粒大の小ささに改良の余地があることを示す。これは、後続のさらなる多収・高品質の品種育成において、どのような要因に着目して選抜すべきかを決めるうえで有用な知見である。
- 「そらみずき」の日本の親品種である「フクユタカA1号」は、本研究を実施した地域と作期では倒伏と蔓化が著しく、収量と収量構成要素の調査ができなかったため、成熟期が「そらみずき」と同等の日本品種「サチユタカA1号」と比較した。
具体的データ

その他
- 予算区分 : 交付金
- 研究期間 : 2021~2023年度
- 研究担当者 : 山崎諒、南條洋平、猿田正恭、加藤信、平田香里、中嶋健太、竹島亮馬、髙橋浩司、青木恵美子
- 発表論文等 : Yamazaki et al. (2024) Plant Production Sci. 28:165-175