水田で栽培したイネの根をX線CTを用いて効率的に3D計測する手法

要約

水田から収集した土壌をX線CTで撮影し画像処理を行うことにより、水田で栽培したイネの根を評価する手法である。根の太さ、根の数、および根の伸長角度を評価でき、根系形質を迅速に評価できる。

  • キーワード : イネ、根系、水田、可視化、計測
  • 担当 : 作物研究部門・作物デザイン研究領域・作物デザイン開発グループ
  • 代表連絡先 :
  • 分類 : 研究成果情報

背景・ねらい

干ばつや高温などの環境ストレスに耐性を示すイネ品種の根系構造を明らかにするためには根系の効率的な計測手法が必要である。しかし、従来の計測手法では圃場から収集した根を土から洗い出して計測するには労力がかかり、根の立体的な構造を壊すことが問題である。そこで、本研究では物体の内部を非破壊で撮影できるX線CTおよびCT画像中から根の情報のみを抽出し、根を崩すことなく立体的に可視化・計測する手法を確立する。

成果の内容・特徴

  • 水田から根を土壌ごと収集し(図1A)、X線CT画像を取得し(図1B)、画像処理により根の情報を抽出し可視化・定量化する手法である。圃場では複数の株の根が交差するが(図1C)、根の伸びる角度から1個体に由来する根のみを絞り込むことが可能である(図1D)。
  • 本手法の画像処理は自動で行うため、根の収集とX線CTの撮影のみ労力が必要である。本手法を用いてイネの根の太さ、根の数、および根の伸長角度を計測するための1個体あたりの必要な労力は約10分である。

成果の活用面・留意点

  • 本手法ではX線CTの撮影装置が必要である。
  • 本手法は粘土質の水田土壌中の根に特化したものである。

具体的データ

その他

  • 予算区分 : 交付金、農林水産省(戦略的プロジェクト研究推進事業:育種ビッグデータの整備および情報解析技術を活用した高度育種システムの開発)、文部科学省(科研費、戦略的創造研究推進事業)
  • 研究期間 : 2021~2024年度
  • 研究担当者 : 寺本翔太、宇賀優作
  • 発表論文等 : Teramoto S. and Uga Y. (2024) Plant J. doi:10.1111/tpj.17171