要約
有機JASで使用できる農薬である天然ピレトリン剤の2回散布によるチャノミドリヒメヨコバイに対する防除効果は、慣行防除剤のフロニカミドと同程度であり、有機栽培における二番茶の安定生産が可能となる。
- キーワード : 茶、二番茶、有機栽培、チャノミドリヒメヨコバイ、有機JASで使用できる農薬
- 担当 : 植物防疫研究部門・果樹茶病害虫防除研究領域・果樹茶生物的防除グループ
- 代表連絡先 :
- 分類 : 研究成果情報
背景・ねらい
チャノミドリヒメヨコバイは、茶生産において最も大きな被害をもたらす害虫である。しかし、有機栽培では本種に対する防除手段が無く、特に二番茶期に発生頻度が高いため、有機茶の安定生産を妨げている。そこで、有機茶の安定生産を目指すため、有機JASで使用できる農薬である天然ピレトリン剤(農薬名 : 除虫菊乳剤3)(500倍希釈濃度)のチャノミドリヒメヨコバイに対する防除効果を圃場試験で検証する。さらに、室内飼育試験を実施することにより、圃場試験の結果の根拠となる本剤の殺虫特性を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 天然ピレトリン剤(500倍希釈濃度)を、2回散布することにより、慣行防除で使用されているフロニカミド剤と同等の、二番茶摘採期までのチャノミドリヒメヨコバイの密度抑止効果、および新芽の被害防止程度が得られる(図1、表1)。
- 成虫よりも幼虫の天然ピレトリン剤に対する感受性が高い(表2)。また、薬剤散布1日後には殺虫効果が低下し、残効は短い(図2)。
成果の活用面・留意点
- 天然ピレトリン剤の散布は、1回目は二番茶期の萌芽期から開葉期に、2回目は摘採10日前までに行うこと。
具体的データ

その他
- 予算区分 : 交付金、農林水産省(戦略的スマート農業技術等の開発・改良)
- 研究期間 : 2023~2025年
- 研究担当者 : 柳澤隆平、須藤正彬、萬屋宏
- 発表論文等 :
- 萬屋ら(2024)茶研報、138:14-22
- 柳澤ら(2025)茶研報、140:11-19