全国のため池のデータを格納、閲覧できる「ため池デジタルプラットフォーム」

要約

全国のため池の写真や監視カメラ、水位データなど各種データを格納し、閲覧できるプラットフォームである。平常時のため池の維持管理や改修工事の情報ならびに地震や豪雨による災害時の情報を集約化する基盤システムである。

  • キーワード : ため池、写真登録、監視カメラ、水位データ、プラットフォーム
  • 担当 : 農村工学研究部門・施設工学研究領域・施設整備グループ
  • 代表連絡先 :
  • 分類 : 普及成果情報

背景・ねらい

豪雨・地震時のため池の危険度を予測し、現地の被災情報を共有する「ため池防災支援システム」は、農研機構によって開発され、現在、農林水産省で運用されており、防災・減災に活用されている。一方、被災前のため池の写真は自治体ごとに管理されている。そのため、豪雨や地震によってため池が被災した場合、被災前後のため池の状況を比較するには市町村、都道府県、国とメール等で情報を伝達する必要がある。また、災害時の点検や維持管理の省力化を目的にため池の遠方監視する体制の需要が高まっていることや、ため池改修工事の情報化施工を推進させるシステムの需要が高まっている。そこで、本研究では、ため池の情報を集約化し、被災前後のため池の状況確認を効率化すること、災害時ならびに平時の維持管理におけるため池の遠方監視すること、ため池改修工事の情報化施工を支援することを目的として、「ため池デジタルプラットフォーム(以下、ため池DP)」を開発する。

成果の内容・特徴

  • ため池DPには、全国約15万箇所のため池について、ため池コード、名称、所在地、緯度経度、堤高、総貯水量が登録されている。
  • ユーザーはため池の写真を登録・閲覧することができる。登録情報として撮影対象物、撮影日時、メモ等を登録できる。撮影対象物は、堤体、上流斜面、下流斜面、洪水吐、天端、取水施設など任意の項目を登録できる(表1)。登録した写真を蓄積していくことで、ため池の経年劣化の状態を確認することができる。災害時には、被災前のため池の状態を確認することができる(図1)。
  • ため池に設置した監視カメラの画像や水位計の水位データを登録・閲覧できる。監視カメラの画像や水位データを閲覧することで、平常時の維持管理におけるため池の異常や豪雨や地震時のため池の異常を迅速に把握することができる。水位データは閲覧範囲を12時間から1年単位までの表示が可能で、豪雨時の水位監視や通年を通した水管理に活用することができる(図2)。
  • 「ため池防災支援システム」と連携しており、「ため池防災支援システム」のユーザーアカウントを用いて、ため池DPにアクセスすることができる(図3)。
  • ため池DPはため池の情報を集約化する基盤システムであり、ため池改修工事の情報化施工支援アプリや貯水位予測アプリ、ドローン画像等の各種アプリケーションを順次実装する(図3)。

普及のための参考情報

  • 普及対象 : 全国の国、地方自治体のため池担当者。
  • 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等 : 全国のため池(約15万箇所)。
  • その他 : 対象ユーザーは、国や地方自治体の職員、ため池管理者等であり、詳細なマニュアルを農研機構のHPで公開している。ため池DPへのアクセスは、PCならびにタブレット、スマートフォンで可能である。

具体的データ

表1 ため池DPの写真登録情報,図1 ため池DPの写真画面,図2 ため池DPの水位データ閲覧画面,図3 ため池デジタルプラットフォームの概念図

その他

  • 予算区分 : 交付金、その他外部資金(PRISM)
  • 研究期間 : 2020~2022年度
  • 研究担当者 : 泉明良、堀俊和、寺家谷勇希、大山俊一、中嶋勇
  • 発表論文等 :
    • 堀ら(2022)大ダム会誌、260:4-6
    • 中嶋(2022)地盤工学会誌、775:1-4
    • 泉ら(2022)職務作成プログラム「「ため池デジタルプラットフォーム」メインシステム」、機構-Q67