洪水吐の放水路を階段状とすることで放水路において放流水のエネルギーを減勢できるため、減勢工を2/3程度に小規模化できる。工期短縮、工事費縮減、用地問題の解消等に繋がる。
全国に約5万3千箇所ある防災重点農業用ため池に係る防災工事等では、堤体の決壊を防止して下流の被害を回避することを目的に、洪水吐の流下能力を向上させるための大規模化も行われている。しかし堤体の下流側に設置される減勢工については、用地問題によって大規模化が難しい場合がある。そのような状況に対し、放水路を階段状(以下、階段状放水路)とすることで、放水路において放流水のエネルギーを減勢させ、減勢工の規模を小さくすることは有効である。減勢工の小規模化には、用地問題に加えて、工期短縮、工事費縮減、周辺環境への影響の低減等の効果もあると考えられている。しかし、階段状放水路とすることで減勢工をどの程度小規模化できるのかについては、これまで十分に明らかにされていない。
そこで、本研究では水理模型実験と数値流体解析を行い、階段状放水路とすることによって減勢工をどの程度小規模化できるかを明らかにする。
SW_MAX/hc=(7/6)×(tanθ)1/6
ここでθは放水路の勾配(tanθ=SW/SL)、SLはステップの長さ、hcは設計最大流量に対する限界水深(hc=(Q2/B2/g)1/3、Bは放水路の幅、gは重力加速度)である。