要約
トルコギキョウの花の発散香気成分は、モノテルペン類、セスキテルペン類、芳香族化合物で構成される。弱い甘い香りを持つ品種には芳香族化合物のオイゲノール、また多くの品種にイソジヒドロネペタラクトンなどのイリドイド類が含まれている。
- キーワード : トルコギキョウ、香気成分、オイゲノール、イリドイド類
- 担当 : 野菜花き研究部門・野菜花き育種基盤研究領域・素材開発グループ
- 代表連絡先 :
- 分類 : 研究成果情報
背景・ねらい
トルコギキョウは、花弁の色や花形のバリエーションに富む人気のある切り花である。一方で、ほとんどの品種の香りはごく弱く、香りがないとされているが、まれに、弱いながらも甘い香りを持つ品種も存在する。育種によって香りの良いトルコギキョウを育成するためには、トルコギキョウの甘い香りの成分を明らかにする必要がある。そこで、弱い甘い香りを持つ品種「ニューリネーションホワイト」とごく弱い香りの12品種の香気成分を解析し、トルコギキョウの香気成分と甘い香りの原因成分を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 「ニューリネーションホワイト」の香気成分はモノテルペン類、セスキテルペン類、芳香族化合物に分類される36種の化合物である(図1)。主要香気成分はハーブのような香りを持つα-セリネン、β-セリネンであり、スパイシーな甘い香りを持つオイゲノールが含まれている。
- 「ニューリネーションホワイト」には、マタタビの成分として知られているイリドイド類(ネペタラクトン、イソジヒドロネペタラクトン、イリドミルメシン、イソイリドミルメシン)とアクチニジンが含まれている(図1)。
- ガスクロマトグラフにより分離された成分の人の鼻による官能評価によって、「ニューリネーションホワイト」の各香気成分のにおいの質と強さが確認される。「ニューリネーションホワイト」の甘い香りの原因成分はオイゲノールである。
- ごく弱い香りの12品種からも、モノテルペン類、セスキテルペン類、芳香族化合物、イリドイド類は発散している(図2)。モノテルペン類の多い品種(1~5)からはごく弱い草のような香り、セスキテルペン類の多い品種(6~11)と芳香族化合物の多い品種(12)からはごく弱い木のような香りが感じられる。
- 分析したすべての品種に、イリドイド類は含まれている。
成果の活用面・留意点
- 「ニューリネーションホワイト」のような弱いながらも甘い香りを持つ品種を用いて交配を行い、オイゲノール量の多い品種を育成することにより、トルコギキョウに甘い香りを付与できる可能性がある。
- イリドイド類、アクチニジンは、切り花品目から初めて発見された。
具体的データ

その他
- 予算区分 : 交付金
- 研究期間 : 2021~2023年度
- 研究担当者 : 大久保直美、福田直子
- 発表論文等 : Oyama-Okubo N. and Fukuta N. (2024) Hort. J. 92:282-293