要約
ダリア新品種「エターニティファイヤー」は、エターニティシリーズ初のボール咲きで鮮やかな濃赤色花色の品種である。対照品種「かまくら」の1.6~2.1倍の優れた日持ち日数を示す。
- キーワード : ダリア、日持ち性、花型、エターニティシリーズ
- 担当 : 野菜花き研究部門・野菜花き品種育成研究領域・施設野菜花き育種グループ
- 代表連絡先 :
- 分類 : 普及成果情報
背景・ねらい
切り花の日持ちは、消費者にとって重要な要素の一つである。ダリアは、豪華さ、豊富な花型、多彩な花色を持ち、近年人気が高まっている品目であるが、日持ち性に劣ることが最大の欠点である。農研機構では2014年からダリアの育種により日持ちの遺伝的な改良を試み、これまでに日持ち性に優れる7品種(セミカクタス咲きの「エターニティトーチ」、フォーマルデコラ咲きの「エターニティロマンス」、「エターニティルージュ」、「エターニティピーチ」、「エターニティシャイン」、「エターニティムーン」および「エターニティサンセット」;以後エターニティシリーズ)を育成済みである。しかしながら、先行のエターニティシリーズは花型のバリエーションが乏しいことから、品種シリーズとしての一体的な普及促進を目的として、新規の花型をもつ品種を育成する。
成果の内容・特徴
- 「エターニティファイヤー」(図1)は、"鮮やかな濃赤色"、花径は約10~13cm、"ボール咲き"であり、優れた日持ち性を示す。外花弁が開花後直ちにボール状になり、輸送時の花弁傷みの少ない、これまでのエターニティシリーズにはなかった花型の新品種である。
- 「エターニティファイヤー」の日持ち日数は、気温23°C、相対湿度70%、12時間日長の条件で、蒸留水に生けた場合に9.3~11.0日、品質保持剤(GLA)入りに生けた場合に11.0~12.8日と、一般的な日持ち性の対照品種「かまくら」の1.6~2.1倍である(表1)。
- 「エターニティファイヤー」は夏秋期栽培では9月16日に開花し、早生の対照品種「かまくら」より2日早く、冬春期栽培では、12月15日に開花し、「かまくら」と同じ到花日数である。さらに、頭花の舌状花数が自然日長の夏秋期では186.5枚、電照栽培(14.5時間日長)の冬春期では313.6枚と極めて多く、切り花にボリュームがある(表2)。
- 育種材料とした切り花用ダリア22品種間の交雑後代を第1世代、第1世代選抜系統間の交雑後代を第2世代、第2世代選抜系統間の交雑後代を第3世代、第3世代選抜系統間の後代を第4世代として、日持ち性による選抜とその選抜系統間での交雑を第4世代まで繰り返し行う。「エターニティファイヤー」は第4世代152実生から選抜した系統である。
- 本品種の普及により品種シリーズのバリエーションを増やすことは、消費者の多様なニーズに対応し、ダリアを業務用だけでなく家庭での観賞向けの切り花として定着させることに寄与する。結果として、さらなる市場の活性化や切り花需要の創出とともに、シリーズ全体の普及促進に繋がることが期待できる。
普及のための参考情報
- 普及対象 : ダリア生産者。
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等 : 全国のダリア生産地で生産可能。先行7品種に「エターニティファイヤー」を追加することで、エターニティシリーズとして一体的に普及する。
- その他 : 商用苗販売は2027年夏、本格普及は2028年を想定している。
具体的データ

その他
- 予算区分 : 交付金、農林水産省(生産現場強化のための研究開発 : 実需ニーズの高い新系統及び低コスト栽培技術の開発、令和6年度持続的生産強化対策事業のうちジャパンフラワー強化プロジェクト推進)
- 研究期間 : 2014~2025年度
- 研究担当者 : 小野崎隆、藤本卓生、東未来
- 発表論文等 :
- 小野崎ら(2026)農研機構研究報告、25:17-32
- 小野崎ら「エターニティファイヤー」品種登録出願公表第37515号(2024年10月24日)