キャベツ収穫機

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要約

開発した一斉収穫方式のキャベツ収穫機は、2軸スクリュでキャベツを引き抜いて根部を切除し、再切断装置により結球部の切断を行い、コンテナに収納できる。
コンテナには150個程度収納でき、2人作業で毎時2a以上の収穫が行える。

  • 担当:生研機構 園芸工学研究部 野菜生産工学研究
  • 連絡先:048-663-3901
  • 部会名:作業技術
  • 専門:機械
  • 対象:農業機械 葉菜類
  • 分類:普及

背景・ねらい

キャベツの収穫はすべて手作業で行われており、中腰姿勢による長時間作業や重い収穫物を多量に運搬することが多く、労働環境の改善が急務とされている。このような背景を踏まえ、実用性の高い収穫機を開発した。

成果の内容・特徴

  • 本機は、キャベツの茎を挟んで引き抜いた後、根と外葉を切り取り、結球部のみを大型のコンテナに収納して搬出する一斉収穫方式の収穫機で、生食用をはじめ、業務用、加工用にも適用することができる。作業は運転者と補助者の2名で行う。
  • キャベツは、2枚の回転ディスクで誘導され、2軸回転スクリュの軸間に茎を挟まれて引き抜かれる。再切断部では、キャベツは左右と上方から同時に押さえられ、再切断刃(回転刃)で結球の基部から切断される。
  • 切断されたキャベツは傾斜コンベヤで外葉と分離され、コンテナに移される。コンテナにはキャベツを150個程度まで収納でき、リフト装置により荷下ろしが容易に行える。
  • 走行部は幅25cmの履帯を使用しており、キャベツ積載時や軟弱地での走行性が良好で、油圧駆動装置(HST)と超信地旋回機構により機動性も高い。また、栽培様式への適合性も高く、畝幅が45cm以上であれば、多くの産地で使用することができる。
  • コンテナ利用の体系では、毎時3aの能率が得られたが、良好な精度を維持するためには作業速度0.15~0.2m/s(2a/h)で行うのが適切であった。

成果の活用面・留意点

  • 本機の利用には一斉収穫が行えることが条件である。
  • 球重1.0~2.5kg、球径12~23cmのキャベツに適用でき、作物性状、栽培条件等が適合すれば、高い作業精度を期待することができる。出荷形態によっては、切断刃の高さを調節することにより、外葉を1~2枚多めにつけた浅切り球が主体となるように収穫し、再調製することが適切な場合がある。
  • 平成7年度から高性能農業機械実用化促進事業に移行し、平成8年から市販の予定。

具体的データ

図1.キャベツ収穫機の構造

 

図2.キャベツの流れ

 

表1.キャベツ収穫機の主要諸元

 

表2.作業精度の調査結果

その他

  • 研究課題名:キャベツ収穫機の開発
  • 予算区分:経常・緊プロ(委託)
  • 研究期間:平成7年度(平成5年~7年)