野菜残さ収集機
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要約
連作障害対策のためにキャベツ、ハクサイ、ブロッコリー等の野菜収穫残さを掘り取って、
土壌からふるい分けて収集し、圃場外へ搬出することのできるトラクタけん引式の残さ収
集機を開発した。
- キーワード:連作障害対策、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、野菜収穫残さ、トラクタけん引式
- 担当:生研機構企画部野菜機械等開発チーム第2
- 連絡先:048-663-3901
- 部会名:野菜・茶業、総合農業(作業技術)
- 専門:機械
- 対象:農業機械、葉菜類
- 分類:研究
背景・ねらい
野菜産地では、連作障害による減収や品質の低下が問題となっているが、根こぶ病等の土壌伝染性病害が主要因である。この土壌病害対策としては、輪作、土壌消毒、薬剤散布、耐病性品種の利用、有機物施用などが行われている。これらの対策と併せて、収穫残さを集めて搬出し処理することが有効な対策であると考えられる。しかし、多くの労力を要するため、現状は収穫残さの収集搬出を行わずにロータリで鋤き込んでいる。このような背景の下で、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなどを対象として、収穫残さを省力的に収集し搬出するための野菜残さ収集機を開発した。
成果の内容・特徴
- 37kW級トラクタでけん引する2畝用野菜残さ収集機(図1)(表1)を開発した。
- 本機はキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなどの収穫残さを根部から掘取り、土をふるい落としてバケットに収納する。バケットに収集した残さはトラック等の荷台に容易に荷下ろしできる。
- 収穫残さのうち、根茎部は95%以上の収集が可能である。(表2)
- 1時間に6~13a程度の作業能率で残さ収集できる。(表3)
- 野菜収穫残さの収集搬出作業は、手作業では多労のため困難であったが、本機により容易に行うことができる。
成果の活用面・留意点
野菜収穫残さを収集搬出することにより、連作障害対策としての効果が期待できる。また、後作の播種又は定植作業が容易になる。収集した残さは、堆肥化などの方法で処理した後、圃場に還元することが望ましい。
具体的データ




その他
- 研究課題名:野菜残さ収集機の開発
- 予算区分:経常、緊プロ(委託)
- 研究期間:平成7年度(平成5~6年)
- 研究担当者:金光幹雄・金丸直明・高山徳七他
- 発表論文等:
①平成6年度事業報告P273,P274.
②平成6年度生研機構研究報告会資料