農作業現場改善チェックリスト
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要約
農作業の安全、快適性向上対策を総合的に検討する際に、重量物運搬の負担軽減、作業姿勢の改善、省力化、作業場・圃場の整備、作業環境の改善、機械・道具の安全使用と管理、農薬・燃料の安全使用と管理、衛生管理等の対策を選択するチェックリスト。
- 担当部:生研機構・基礎技術研究部・安全人間工学研究
- 連絡先:048-654-7050
- 部会名:作業技術
- 専門:作業
- 分類:普及
背景・ねらい
今後の農業生産体系においては、圃場区画拡大や経営規模拡大、及び技術の高度化に伴い、作業形態が変化し、労働負担増大や新たな農作業事故の背景要因となる可能性がある。一方、農作業現場は、農家や季節毎に状況が異なり一様な対策方法では適切な改善が困難である。そこで、各現場で柔軟に評価・改善できる手法を開発する。
成果の内容・特徴
- 農作業現場の安全・快適性を評価・改善のために、本チェックリストでは、以下の分野をチェックできる。
1)重量物運搬の負担軽減、2)作業姿勢の改善、省力化、3)作業場・圃場の整備、4)作業環境の改善、5)機械・道具の安全使用と管理、6)農薬・燃料の安全使用と管理、7)衛生管理。
- 本チェックリストは対策選択型である。つまり、農業者が生産現場を巡回して直接対策方法を選択する方式である。この方式は各生産現場毎に作業形態、経費等を考慮しながらその場で対策案を選択し、対策に移行できる長所を持つ。チェック項目は49項目であり、各チェック項目ごとに解説が用意され、チェック項目の重要性、メリット、具体的対策、啓蒙情報、優良事例、関連する対策、詳細内容の問合せ先、製品情報等をイラスト付きで解説している。チェックリストの一部を図1、解説例の一部を図2に示す。
- 本チェックリストを使用すると、以下の効果がある。
1)現状の問題点の自覚、2)改善の動機付け、3)改善の着目点の理解、4)安全意識向上、5)目配りする範囲の広がり、6)段階的改善、7)口コミによる周囲への波及、8)活性化(専門家との情報交換、講習会の実施等)
成果の活用面・留意点
- 農家や普及センター、農業大学校での作業安全、快適性向上対策の検討に活用できる。
- 従来からの農業機械、施設の安全対策、安全教育も同時に推進する必要がある。
具体的データ

図1:チェックリストの一部

図2:チェックリストの解説例
その他
- 研究課題名:安全性から見た作業形態の評価法
- 予算区分:経常・総合的開発研究(軽労化農業)
- 研究期間:平成11年度(平成9年~11年)
- 研究担当者:菊池 豊、石川文武
- 発表論文等:平成11年度生研機構研究報告会資料(平12.3)、農作業研究第34巻別号1(平11.3)、農作業研究第35巻別号1(平12.5)、資料「農作業現場改善チェックリストと解説」(平12.3)