ボール状の引き抜き部を有するトラクタ装着式バレイショ茎葉処理機
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要約
本機は、収穫前のバレイショの茎葉を細断および引き抜き処理できる2条用のトラクタ装着式の茎葉処理機である。茎葉を細断後、株元を引き起してボール状の部品から成る引き抜き部で挟持し、茎葉を引き抜くことができる。
背景・ねらい
バレイショの収穫前茎葉処理は、いもの品質維持、皮剥け防止等の観点から重要な作業である。消費者や市場流通業者からは、薬剤に頼らない茎葉の機械処理を求める動きがあり、ニーズに合致した農産物を供給するため、効率の良い茎葉処理機の開発が必要となっている。生産現場では、管理作業用のトラクタを有している場合も多く、そのようなトラクタを有効活用するためにも、茎葉を細断、引き抜き処理することができるトラクタ装着式の茎葉処理機を開発する。
成果の内容・特徴
- 本機は、茎葉の引き起し部、引き抜き部、細断部から構成される茎葉処理機構を装備した2条用のトラクタ装着式茎葉処理機である(図1~2、表1)。
- 畝の上面と側面をそれぞれ専用のフレールモアで構成された細断部で茎葉を細断することができる。細断後の株元を爪付きベルトで引き起し、ボール状の部品から成る引き抜き部で挟持して茎葉を引き抜くことができる。このような構造のため、晩生品種などのように地上部茎葉量が多い場合でも対応が可能。
- 引き抜き部の後方に配置した車輪状の畝押え部品で、茎葉の引き抜きとともにまき上げて落下した土壌を鎮圧し、いもの露出を抑制することができる。
- 条間72または75cm、かまぼこ形の畝形状、生食用の「男爵薯」「メークイン」で、処理率は99%程度、いもの露出は1%程度である。また、地上部茎葉量が多い「ホッカイコガネ」でも同程度の作業精度である(表2)。
- オペレータ1名で作業が可能であり、作業速度1 m/s、ほ場作業効率90%で能率50a/h程度である[供試ほ場:条間75cm×畝長さ250m×10畝]。
成果の活用面・留意点
- 平成19年に市販化する予定である。
- 腐植質黒ぼく土および乾性火山灰土ほ場における結果である。
- 地上部茎葉量が多い場合、高い作業精度を得るためには作業速度を0.6m/s程度にする必要がある。
- ロークロップタイヤを装着することが望ましい。
具体的データ




その他
- 研究課題名:環境負荷低減に寄与する農業機械・装置等の開発
- 課題ID:800-c
- 予算区分:経常・次世代緊プロ(共同)
- 研究期間:2003~2006年度
- 研究担当者:貝沼秀夫、青木循、久保田興太郎、安食惠治、(株)クボタ