モモ未熟種子に存在する新規ジベレリンGA122, GA126の同定

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要約

モモからジベレリンの新しい生合成経路の存在を示唆する新規なジベレリンの構造を明らかにしGA122, GA126と命名した。

  • キーワード:モモ、ジベレリン
  • 担当:花き研・生理遺伝部・品質生理研究室
  • 連絡先:0298-38-6816, nakayosi@affrc.go.jp
  • 区分:花き
  • 分類:科学・参考

背景・ねらい

草姿は花きの重要な品質要素である。植物の形態は植物ホルモンを始めとする生理活性物質によって制御されていることから、形態の制御には植物ホルモンの生合成についての理解が必要となる。ジベレリンは茎葉の伸長を制御する植物ホルモンである。バラ科植物であるモモについてのジベレリンの生合成の情報を得るために、内生ジベレリンを明らかにする。

成果の内容・特徴

  • モモの未熟種子の新規な内生ジベレリンとして、以前報告した GA118, GA119, GA120, GA121に加え、新たにGA122, GA126を同定した(図1)。
  • GA122, GA126はGA95, GA120, GA121と同様に、1, 2位に二重結合を有し3β位の水酸基を欠くジベレリンである。
  • GA95, GA121, GA126と、これらの3β位に水酸基を有するGA3, GA30, GA87が同じ組織に存在する。

成果の活用面・留意点

  • GA95, GA120, GA121, GA122, GA126は、1, 2位の二重結合と3β位の水酸基を有するジベレリンの直接の前駆体である可能性がある。
  • ジベレリンの生合成に関する新しい制御方法を開発するための基礎的知見となりうる。ジベレリンの生合成に関する新しい制御方法を開発するための基礎的知見となりうる。

具体的データ

図1 モモ未熟種子より検出された新規ジベレリン

その他

  • 研究課題名:生理活性物質の生合成の解析
  • 予算区分:交付金
  • 研究期間:2001~2005年度
  • 研究担当者:中山真義、腰岡政二、松井弘之、小原均、横田孝雄、Lewis N. Mander、
                      Sarah K. Leitch、Bruce Twitchin、Peter Kraft-Klaunzer、Richard P. Pharis
  • 発表論文等:1)Nakayama et al. (2001) Phytochemistry 57: 749-758.