低樹高で新規な樹形のハマナス'ハマナス低性1号、同2号'

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要約

低樹高で新規な樹形の‘ハマナス低性1号、同2号’を育成した。‘ハマナス低性1号’は低樹高(約45cm)、赤紫色の一重咲き、多花性である。‘同2号’はさらに低樹高(約30cm)、桃色の八重咲きである。

  • キーワード:ハマナス、低樹高、クッション状樹形
  • 担当:花き研・生産利用部・機能解析利用研究室
  • 連絡先:電話059-268-4665、電子メールami@affrc.go.jp
  • 区分:花き
  • 分類:技術・普及

背景・ねらい

ハマナスは不良環境耐性が強く、欧米ではハイブリッドルゴサの名で多くの品種が育成されているが一部を除き樹高が高くなるため、管理の面で問題を生じる場合がある。樹高が低く、省力管理型樹形を持つハマナスを開発することは、ハマナスの新規用途の開発につながり、落葉低木類の需要拡大と生産振興につながるものと期待される。そこで、ハマナス同士の交雑により、樹高が低く、景観植物に適したハマナス品種の育成を図る。

成果の内容・特徴

  • 北海道内で採取後、選抜したハマナス保存系統を用いて、旧野菜茶試花き部緑化植物研究室において1997年5~7月に交雑を行った。得られた実生を1998年に三重県安濃圃場に定植し、1999年以降特性調査と選抜を行った。その中で非常に低樹高で、樹形に新規性があると認めた最終選抜系統に、‘ハマナス低性1号’、‘同2号’を付した。
  • ‘ハマナス低性1号’は赤紫色、花径約8cmの一重咲き、樹高は低く、コンパクトなクッション状の樹形となる(表1、図1、2)。
  • ‘ハマナス低性1号’の三重県における開花期は5月上旬から11月上旬で、連続的に開花し、初夏はもとより、8月にも多数開花する。
  • ‘ハマナス低性2号’は桃色、花径約6cmの八重咲き、樹高は非常に低く、‘ハマナス低性1号’よりさらに扁平な樹形となる(表1、図1、2)。
  • ‘ハマナス低性2号’の三重県における開花期は5月上旬から10月下旬である。
  • 2品種とも三重県における夏季の生育には全く問題はない。
  • 2品種とも挿し木繁殖が可能で、特に‘ハマナス低性1号’は挿し木1年目でも開花する。

成果の活用面・留意点

  • 低樹高で管理の省力化が可能である。
  • 開花期間が長い性質を生かして高度緑化、景観を重視した緑化に利用可能である。

具体的データ

表1 ハマナス低性1号、同2号の特性

 

図1 ハマナス低性1 号(左)、同2 号(右)の樹姿

 

図2 ハマナス低性1 号(左)、同2 号(右)の花

その他

  • 研究課題名:省力管理型樹形・芳香性ハマナスの育種素材・品種の開発
  • 予算区分:超省力園芸
  • 研究期間:1997~2002年度
  • 研究担当者:平田良樹、清水明美、山口博康、亀野貞