低温によるトルコギキョウのロゼット打破はジベレリン生合成促進を伴う
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要約
トルコギキョウのロゼット打破における低温の作用の一因は、ジベレリン生合成におけるent -カウレンならびに活性型ジベレリン(GA1)の生合成促進である。
- キーワード:トルコギキョウ、ロゼット、ジベレリン
- 担当:花き研・生理遺伝部・開花生理研究室
- 連絡先:電話0298-38-6815、tamotsu@affrc.go.jp
- 区分:花き
- 分類:科学・参考
背景・ねらい
トルコギキョウの周年生産を行う上でロゼット化の制御は重要な要素となっている。ロゼットを打破する環境要因は低温である
こと、ジベレリン(GA)処理により節間伸長を誘導できることが明らかにされている。しかし、低温によるロゼット打破の生理的機構は不明である。そこで、
トルコギキョウの安定生産技術の開発に資するため、GA生合成との関連に着目しロゼット機構の生理的解明を目指す。
成果の内容・特徴
- トルコギキョウのロゼットは、苗が低温に遭遇することにより打破される(図1)。
- 低温処理により茎部におけるGA前駆物質ent -カウレンの生合成が促進される(図2)。
- 低温処理後の温暖条件において活性型GA(GA1)の生合成が促進され,節間伸長を開始する(図1、図3)。
- 低温処理期間中に活性型GAの前駆物質(ent -カウレン、ent -カウレン酸、GA53、GA44、GA19)は蓄積する(データ略)。
- 以上の結果より、低温の作用によるGA生合成活性の増大がロゼット打破の一要因であると結論される。
成果の活用面・留意点
- トルコギキョウの安定生産技術開発の基礎的知見となる。
- 花き類の低温によるロゼット打破現象に関する機構解明の基礎的知見となる。
具体的データ
その他
- 研究課題名:キク等のロゼット機構の生理的解明
- 課題ID:03-01-03-01-01-02
- 予算区分:組換え植物
- 研究期間:2000~2002年度
- 研究担当者:久松 完、腰岡政二、西島隆明
- 発表論文等:HISAMATSU et al.,(2004) J. Hort. Sci. & Biotech. 79:354-359