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カンキツ新品種‘天草’は,‘T-378’(‘清見’ב興津早生’)に‘ページ’を交雑 して育成したタンゴールである。‘清見’に比べ減酸が早く,果面が赤橙色で美しい。通常,無核性で食味良好。適熟期は12月下旬~1月上旬である。
‘清見’は昭和54年(1979)に公表された品種でその風味の良さが消費ニーズに適合し,現在1万t余りの生産量があり,更に増産の傾向にある。しかし,減酸が遅く,3月まで樹上に果実を残せる暖地でないと露地栽培は困難である。また,改良すべき点として,剥皮性の付与と外観の改良が指摘されている。そこで,減酸が早く,早期に食味良好で,剥皮性があり,外観がより優れたタンゴールタイプの生食用カンキツを育成目標とした。
‘清見’の欠点である減酸の遅い点が改良されたうえ,外観が赤橙色で美しいことが特徴の品種で,寒害の回避が容易な品種として普及が期待できる。
生育期の強風により,かいよう病が発生する危険があるので防風対策が肝要である。
果皮が退色するので防止対策または販売上の工夫が必要である。また,後期落果,果皮の老化による果梗部の亀裂が認められるので,採収適期を把握することが必要である。
単為結果性が強く無核性であるが,他家受粉により含核数が増大するので,花粉稔性の高い他品種との混植は避けた方が良い。
栽培適地は生育期の強風が無く,温暖な所である。