リンゴ「ふじ」果実のみつ入りと低温ストレスの関係
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要約
リンゴ「ふじ」果実に発生するみつ入りは、過酸化水素(H202)含量の動向から、低温ストレスと関係していることが示唆された。
- 担当:果樹試験場・盛岡支場・栽培研究室,流通利用研究室
- 連絡:成果情報のお問い合わせ
- 部会名:果樹
- 専門:栽培
- 対象:果樹類
- 分類:研究
背景・ねらい
リンゴ「ふじ」果実のみつ入りは、美味しい完熟リンゴの指標として嗜好性が高く、高品質果実を構成する重要な要素になっている。したがって、リンゴの高品質果実生産のためには、みつ入り発生機構を解明し、みつ入りを制御する技術の開発が必要である。そこで、みつ入りと低温ストレスとの関係を検討し、みつ入り発生機構解明の資とする。
成果の内容・特徴
- 10月7日から11月8日までの間、高温処理[日中25°C(11h)-夜間15°C(11h)]を行った「ふじ」/M.26樹の果実では、みつの発生はみられなかった。しかし、低温処理区[日中15°C(11h)-夜間5°C(11h)]では処理18日目に維管束に沿って、みつの発生がみられるようになり、その後、その程度が拡大した(図1)。
- 環境ストレス物質の一つである過酸化水素(H2O2)の果実内含量の変化を調べると、低温処理区では果皮、果肉いずれにおいても処理4日目以降、急速に増加して、10日目(みつ入り8日前)に最高を示した後、減少した(図2)。
以上の結果から、「ふじ」果実に発生するみつ入りは、低温ストレスによって誘発されるものと考えられる。
成果の活用面・留意点
成熟期に達したリンゴ果実に起こるみつ入りの発生機構解明の資とする。
具体的データ


その他
- 研究課題名:リンゴ果実の市場性に関連した生食適性要素の解明
- 予算区分:一般別枠(収穫後生理)
- 研究期間:平成4~6年