カキ「太秋」等の条紋発生による糖度上昇

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要約

カキの中には条紋と呼ばれる筋を果皮に生じる品種がある。条紋を生じた部位の糖度は生じていない部位に比べて2~3度高く、条紋の発生しやすい「太秋」等では条紋発生果を高品質果実として評価できる。

  • 担当:果樹試験場・カキ・ブドウ支場・育種研究室
  • 連絡先:成果情報のお問い合わせ
  • 部会名:果樹
  • 専門:育種
  • 対象:果樹類
  • 分類:普及

背景・ねらい

カキの中には条紋と呼ばれる筋を果皮に生じる品種がある。「富有」、「平核無」、「次郎」などの品種は条紋を生じないが、新品種「太 秋」は条紋を生じやすい。「太秋」は大果である上、非常に食味がすぐれるので、普及が期待されているが、条紋は汚損果と混同され外観の劣る果実と評価される可能性がある。果樹試験場カキ・ブドウ支場育種研究室では、これまでの育種調査の過程で、条紋を発生している果実の糖度が高いことを発見した。そこで、条紋を生じる系統を選抜することは高糖品種を育成する一戦略になる可能性もあることから、条紋発生と果実糖度との関係を検討した。

成果の内容・特徴

  • 条紋を生じている果実(図1)について、くさび状に切りとった果肉の糖度(可溶性固形物含量)を屈折計で測定すると、果頂部の条紋を生じている部位(条紋部)は生じていない部位(非条紋部)に比べて 2.1~3.0糖度が高い(表1)。 条紋の糖度上昇の程度は品種、果実による変動が極めて少なく、条紋が生じるとほぼ確実に糖度が2~3度上昇する。条紋が発生した糖度の高い果実は、果皮が 黒くなる一般の汚損果とは、流通上、明確に区別する必要がある。「太秋」のように条紋を発生しやすい品種については、条紋発生果を高品質果実として評価で きる。
  • 条紋を生じている果実においては、条紋部を中心に局部的に糖度が高い(図2)。

成果の活用面・留意点

著しく大きな条紋は亀裂となって日持ち性に影響することがあるので注意を要する。

具体的データ

図1 カキにおける汚損果(左)と条紋発生果(右)

表1 条紋がカキ果実の可溶性固形物含量に及ぼす影響

図2 「興津20号」における条紋部を通る果実横断面の各部位における可溶性固形物含量

その他

  • 研究課題名:条紋の発生がカキ果実の可溶性固形物含量に及ぼす影響の解明
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成8年度(平成8年~9年)
  • 発表論文等:カキ果実における条紋の発生が可溶性固形物含量に及ぼす影響、園芸学会雑誌、
  • 第66巻別冊1、1997。