農業施設等の簡易型遠隔監視システム

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要約

ISDNなどの高速のデジタル通信を利用して、離れた場所にある温室や畜舎などを音声と画像によって監視するためのシステムである。これまでの同様の機器(約200万円)に対して市販のカメラ等を利用することにより、安価(約20万円)で簡便なものとなる。

  • 担当:北海道農業試験場・農村計画部・情報処理研究室
  • 連絡先:011-857-9266
  • 部会名:農村計画(農業物理)
  • 専門:情報処理
  • 対象:
  • 分類:研究

背景・ねらい

ISDN(高速デジタル通信網)は北海道地域への展開が広範に行われており、道内のほとんどの市町村で利用が可能となっている。
一方、農業施設内の監視は、温度や湿度といった、一次的な要素によることがほとんどであった。また遠隔地からの監視も、パソコンとモデムによる低速通信による信号の送受のみであり、画像などを用いることは行われていなかった。
そこで、高速通信による画像や音声を実時間で送受することにより、作物や動物の生育の観察や、防犯監視などを遠隔地から行うことが可能な監視システムを開発した(図)。

成果の内容・特徴

  • 遠隔地にいながら、カメラの方向やズーミングを行ない、温室内の作物の色や形、生育状況などを観察することができる。
  • ポイントを切り替えることにより、複数のカメラからの情報を得ることができる。
  • 遠隔地から作物や動物の様子を判別することができ、販売等にも利用できる。
  • カメラやパソコンを除いた製作費は約20万円である。
  • 開発したソフトウェアは画像転送プログラム、ジョイスティック入力プログラム、モータ制御プログラムであり、Cで記述してある。

成果の活用面・留意点

  • 遠隔地から畜舎内の監視や温室内の作物の監視に使うことができる。また、農産物の相対(あいたい)取引に使うことなども可能である。
  • 電話の通じる場所でなければならない。また交流100Vの電源を要する。

具体的データ

図 遠隔監視システム

その他

  • 研究課題名:地域農業生産管理情報利用システムの開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成6年度(平成元~6年)
  • 発表論文等:農業情報利用、第4巻2号(投稿中)