フリーストール牛舎のミシガン型隔柵への牛による荷重

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要約

フリーストール牛舎のストールに牛が出入りしたり,起立,横臥する際にストールに設置されているミシガン型隔柵に接触した時の荷重を測定した。上部バーの水平方向の荷重は最大約150kgf(1470N)である。

  • 担当:北海道農業試験場・畜産部・家畜管理研究室
  • 連絡先:011-857-9307
  • 部会名:畜産・草地
  • 専門:飼育管理
  • 対象:家畜類
  • 分類:研究

背景・ねらい

フリーストール牛舎におけるストールの隔柵は,その構造的な特徴から垂直方向には強いが,水平方向には弱い点を持っており,曲がったり支持部の破損したケースがときどき見受けられる。このような事態を防ぐためには,牛によって隔柵へかかる荷重等のデータを蓄積し,牛舎の設計に反映させていく必要がある。そこで牛がストールに出入りしたり,起立,横臥する際にミシガン型隔柵にかかる水平方向の荷重を計測した。

成果の内容・特徴

  • センサーとして,ひずみゲージを張り付けた隔柵をフリーストール牛舎内に設置し,通常飼養状態で牛に利用させ,50m離れた測定室より,ディジタル動ひずみ計で遠隔測定を行い,フリーストール牛舎のミシガン型隔柵に牛によってかかる荷重とその位置を計測した。供試牛はホルスタイン種初産牛9頭で平均体重は582kgであった。
  • 隔柵には水平方向で最大150kgfの荷重がかかる。
  • 上部バーに100kgf以上の大きい荷重がかかる部位は前端より80~100cmの範囲である。
  • 横臥している牛が,下部バーに口や顔をこすりつけた際に生じた荷重は小さく3~24kgfである。

成果の活用面・留意点

  • 牛舎設計時の隔柵強度の試料として参考となる。
  • 平均体重582kgの牛のデータであり,牛の体重が著しく異なる場合は荷重も違ってくる可能性がある。

具体的データ

図1 試験に使用したミシガン型隔柵

表1 上部バーにおける前端からの距離と荷重

表2 下部バーにおける前端からの距離と荷重

その他

  • 研究課題名:フリーストール牛舎におけるストールの設計に関する研究
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成6年度(平成3~6年)
  • 発表論文等:フリーストール牛舎における牛によるミシガン型隔柵への荷重,
                      日畜会報,65(10):985-987