画像処理によるキャベツの個体別初期生育状況の簡易測定法
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要約
圃場におけるキャベツの個体別初期生育状況を測定するための簡易で迅速な画像処理システムを作成した。カラー画像を赤青緑の3原色分離後、[緑画像
(G)-赤画像(R)]と[微少画素数図形削除]の簡単な演算処理で、作物体の投影面積及び圃場における位置などの生育状況を迅速に推定できる。
- 担当:北海道農業試験場 企画連絡室 総合研究第2チーム
- 連絡先:0155-62-2721
- 部会名:総合研究 作業技術
- 専門:機械
- 対象:葉菜類
- 分類:研究
背景・ねらい
大規模畑作地帯でのキャベツ作、特に直播による作型では、移植に比べて発芽および初期生育の不揃いが大きな問題である。その不揃いを解消する栽培作業技術の確立には、キャベツの初期生育段階における生育情報収集技術が必要である。
成果の内容・特徴
- 作業機への連動制御を前提としたキャベツの個体別生育情報収集のための画像処理システムを開発した。
- 画像処理システムはカメラ、画像入力ボード、小型コンピュータで構成し、入力カラー画像の解像度は512×512画素で、赤、緑、青の各画像とも256階調である。
- カラー画像を赤青緑の3原色に分離後、[緑画像(G)-赤画像(R)]の減算と微少画素図形削除の簡易な処理で圃場表面の乱反射によるノイズが除去され、キャベツの形状図形を得られる。
- 通常の圃場条件下では、直射日光の有無による影響は認められず、キャベツの影・小石・微小残渣なども除去できる。また、小雑草は、キャベツより十分に小さい場合、適切な削除画素数の設定で除去できる。
- 処理後のキャベツ形状図形の画素数で投影面積を、また重心位置で圃場における位置を推定できる。
成果の活用面・留意点
- 本方法により得られる個体別の投影面積と圃場位置情報を利用して、個体別生育管理技術の開発が可能となる。
- 太陽高度が低く、圃場表面の細かい凹凸が多い条件では、乱反射によるノイズ成分の輝度が大きいためにキャベツの判別が困難な場合がある。
具体的データ

その他
- 研究課題名:作物生育情報の利用による高精度管理作業技術の開発
- 予算区分:経常
- 研究期間:平成6~10年