極良品質の2倍性ばれいしょ系統「島系575号」

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要約

早生・やや小粒の2倍体ばれいしょである。カロチノイドを含む橙黄肉色でナッツ風味をもち、調理適性が優れる。低温貯蔵下で庶糖が7%まで増加して甘くなり、デザート用としても注目されている。種苗登録を行い、新たな需要の開拓のための試験を継続する。

  • 担当:北海道農業試験場・畑作研究センター・ばれいしょ育種研究室
  • 連絡先:0155(62)9272
  • 部会名:作物
  • 専門:育種
  • 対象:いも類
  • 分類:研究

背景・ねらい

南米のアンデスで現在も栽培されている2倍体ばれいしょの中には、良品質でナッツ風味をもち、デザート向け等の新しい需要を拓く可能性を有するものが少な くない。これらのばれいしょを素材として、北海道の夏作向けの品種を育成し、ばれいしょの用途を拡大する目的で研究を実施した。

成果の内容・特徴

  •   少収量、小粒、ごく短休眠の2倍体ばれいしょを、早生、短茎、いも着密、良形、や や高でん粉に改良し、北海道での実用栽培が可能とした(表1)。
  •  調理特性は極めて良い(表2)。食味は「栗(ナッツ)のよう」と評価するテスターが多く、今までのばれいしょとは別の風味である。
  •  長期低温貯蔵すると庶糖が7%まで増加し、甘味が強くデザート原料に適する。実需 者の評価も良い。(表3)

成果の活用面・留意点

栽培は本系統の特性を活用した密植栽培とし、利用に当たってはデザート向け等調理特性に適した新需要の開拓につとめる。 交配母本として用いる。

具体的データ

表1 栽培特性

表2 調理特性

表3 テスターの評価と試作した料理

その他

  • 研究課題名:カロチン含有ばれいしょの育成
  • 予算区分:新需要
  • 研究期間:平成8年度(昭和63年~平成8年)
  • 研究担当者:梅村芳樹・小原明子・森 元幸-->
  • 発表論文等:「2倍性ばれいしょ「島系575号」の育成とユーザー評価」育・作学会北海道談話会会報37.122-123 1996