フリーストール牛舎設計支援システム

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要約

フリーストール牛舎設計支援システムは、農家が新規にフリーストールシステムを設計する際に、農家自身の必要なステップの認識と、個別技術・システムが有する長所短所への十分な理解を得ることをねらいとしたパソコン対話型データベースである。

  • 担当:北海道農業試験場・作物開発部・農地農業施設研究室、畜産部・家畜管理研究室、酪農学園大学・酪農学科・家畜管理学
  • 連絡先:011-857-9233
  • 部会名:総合研究
  • 専門:農業施設
  • 対象:家畜類
  • 分類:研究

背景・ねらい

現在広く用いられているフリーストールシステム(以下FSシステム)導入のための資料は、標準設計のように単一のパターンを示すものであったり、個別技術の提示や優良事例の紹介が主である。しかし標準設計や優良事例は、立地条件や経営規模・経営状況等の条件の相違から、必ずしも当該農家にとって適切ではない場合がある。また個別技術の提示は、長所と金銭面の説明に偏りがちであり、その技術の欠点が理解されないまま導入される恐れがある。そこで、個々の農家が新しくFSシステムを構築する際に考えなければならない設計までのステップと個別技術の長所・短所の認識を支援する、フリーストール牛舎設計支援システムを開発する。

成果の内容・特徴

  • 設計支援システムは、根室・十勝・空知管内を中心としたFSシステム導入農家の調査と、国内外の資料収集により、個別技術の画像データと最新の情報を蓄積し、これに評価コメントを付加してデータベース化したものである。
  • 利用者は、コンピュータ画面上の対話形式で、導入候補となる個別技術を選択肢から自由に選び、段階的にFSシステムを構築していくことができる(図1)。
  • 設計支援システムは、1農家が現在の経営状況等をFSシステム構築前に再認識するための現状入力メニュー、2個別技術を選択するFSシステム構築メニュー、3構築したFSシステムが不適切と判断される場合に、そのチェックポイントを指摘して再検討を促し、さらに選択した個別技術・システムの長所短所を知らせる総合コメントメニュー、の3段階のメニューから構成されている(図2)。

成果の活用面・留意点

  • 利用する農家は、本システムが出力する判断や個別技術に関する情報・評価を参考として、FSシステム導入の決断や個別技術の選択を行うことができる。
  • システムのインストールに必要なハードウェアは、1Microsoft/Windows3.1以上が稼働しているコンピュータ、2解像度800×600以上、256色以上のカラーディスプレイ、3200MB程度の空き容量を持つハードディスク、4Windows対応のプリンタである。

    本システムの入手方法等については、北海道農業試験場・農地農業施設研究室へ問い合わせていただきたい。

具体的データ

図1.牛舎設計支援システム(画面例)

 

 

 

図2.牛舎設計支援システムの流れ

その他

  • 研究課題名:低コスト畜舎システムの設計
  • 予算区分:実用化促進
  • 研究期間:平成9年度(平成5年~9年)
  • 研究担当者:向弘之、佐藤義和(現技術会議事務局)、岡本隆史(現、畜試)、久米新一、植竹勝治、矢用健一、谷脇憲(現農研センター)干場信司(現酪農学園大学)