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デルファイ法を応用した本手法は、客観評価(統計・実測データによる)と達観評価(地元有識者による主観的評価)を組み合わせることによって、地元意向をより反映させながら、中山間地域の定住条件を集落単位に評価できる。
中山間地域独自の土地利用計画手法の確立のため、「農林地の主たる管理主体である農家が、ある程度快適に居住していけるか」といった定住条件から中山間地域の集落を評価する手法を開発する。土地や地域資源の評価手法は実測・統計データによる客観的な評価手法を目指して開発されてきたが、評価結果の妥当性の検証が重要な課題となっていた。いままでは、地元有識者による主観的評価(達観評価)との比較によって検証する方法が採られてきたが、1)達観評価値のバラツキ、2)客観評価値と達観評価値のズレの問題は残されたままである。これらの問題を解決し、地元意向をより反映しうる方法として、デルファイ法を応用した中山間地域の定住条件評価手法を提案する。手法の有効性は、北海道中川町と新潟県入広瀬村に適用することによって検証した。中川町ではキーパーソン(普及員出身の役場職員)によって評価者を選定し(回答者19名)、入広瀬村では農業・農村振興関係の役場職員全員を評価者とした(回答者17名)。
Y=aX1+bX2+cX3+dX4+eX5+fX6 Y:定住条件の客観的評価値 X1~X6:順に経済・生活・交通・社会・人口・自然条件の得点 a~f:重み係数