Webアプリケーションによる水稲乾田直播栽培適地の判定支援

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要約

北海道における水稲乾田直播栽培適性の判断材料として、アメダス気温データ等に基づく有効積算気温のメッシュデータおよび長期積雪情報に基づく推定消雪日をインターネット上で提供することにより、導入適性の判定を支援する。

  • キーワード:水稲乾田直播栽培、アメダス、消雪日、Webアプリケーション
  • 担当:北農研・総合研究部・情報解析研究室
  • 連絡先:011-857-9238
  • 区分:北海道農業・総合農業
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

寒地における水稲乾田直播栽培では、温度条件が生育に多大な影響を与える。また、直播栽培は、移植栽培に比べ栽培開始時期が早く、長期積雪の影響を受けやすい。そのため、直播栽培導入に当たっては、現地の気温や積雪等の気象条件を考慮し栽培適性を判断することが極めて重要となる。そこで、アメダス気温データ等に基づく有効積算気温のメッシュデータおよび長期積雪情報に基づく推定消雪日をインターネット上で検索できるシステムを作成し、導入適性の判定支援を行う。

成果の内容・特徴

  • 本Webアプリケーションは、北海道全域の水田地帯における水稲直播栽培適地性を評価し、1Kmメッシュごとに5段階評価で表示する。
  • 栽培適地性は、アメダスデータ等より求められる、3,5,10,20年に一度の確率で現れる低温年の播種早限から出穂晩限までの有効積算気温より判定する。
  • アメダス積雪データ等をもとに算出した北海道の任意の地点における推定消雪日を適地判定の材料として提供する。平均的な消雪日、5,10,20年に一度の確率で現れる早い消雪日、遅い消雪日の検索を可能とする。
  • 本アプリケーションは、Webブラウザを用いて利用する。プルダウンメニュー等を操作することにより、検索、表示をおこなう(図1)。

成果の活用面・留意点

  • 本アプリケーションは、Java対応のWebブラウザを用いて接続し利用することで、ネットワークに接続されたあらゆるプラットホームから利用できる
  • このアプリケーションと同様の機能をもつスタンドアローン用のソフトウェア(マイクロソフト社Windows系OS対応)をCD-ROMで入手可能である。
  • 適地性の判定基準は、北海道農業研究センター・総合研究第1チームが1996~2000年におこなった水稲品種「ゆきまる」の栽培試験に基づく。なお、判定は気象条件によるものであり、実際の判定には土壌特性等を考慮する必要がある。

具体的データ

図1.栽培適地判定例

その他

  • 課題名:作物生産情報の利用手法及び栽培適地判定モデルの開発
  • 予算区分:増殖情報ベース
  • 研究期間:1997~2000年度
  • 研究担当者:伊藤淳士、岩田幸良、喜多孝一
  • 発表論文等:岩田ら(2001)平成13年度日本農業気象学会北海道支部大会