玄そば果皮率の非破壊分析法

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要約

近赤外分光法によって、玄そば乾物重量あたりの非可食部(鬼皮)量と水分含量をそれぞれ、誤差0.67%および0.68%で非破壊かつ迅速に分析することが可能である。

  • キーワード:近赤外分光法、玄そば、果皮率、水分含量
  • 担当:北農研・畑作研究部・流通システム研究チーム
  • 連絡先:0155-62-9283 
  • 区分:北海道農業・流通利用
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

血圧降下作用などの機能性を有するソバは、消費者の健康指向に即した食品素材として重要な作物である。しかし、生産・流通段階の実需者ニーズに即した品質評価が十分に行なわれていない。そこで、製粉歩留に関連する品質指標である果皮率および水分含量について、近赤外分光法による迅速かつ簡便な分析法の検討を行なった。

成果の内容・特徴

  • ソバの果皮、さな粉およびそば粉はそれぞれ互いに判別可能な特徴的スペクトルパターンを示し、近赤外光は玄ソバ内部まで透過する(図1)。すなわち、近赤外分光法により玄ソバの状態で部位別に定量可能である。
  • 水分含量は玄ソバの状態で、選択波長794、1452、2290、2312および2436nmにおいて誤差0.67%で分析可能である(図2)。
  • 果皮率は玄ソバの状態で選択波長540、684、1152、1186、1304、1680および2496nmにおいて誤差0.68%で分析可能である(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 同一試料の詰め直しによる分析値の変動が水分含量では0.24%~0.31%(5回反復)、果皮率では0.73%~0.88%(5回反復)であることから、果皮率測定においては複数回測定を行ない、平均値を求める必要がある。

具体的データ

図1.ソボの部位別スペクトル

図2.近赤外分光法による玄そば水分含量分析結果

図3.近赤外分光法による玄そば果皮率の分析結果

その他

  • 研究課題名:有限伸育性そばの品質評価
  • 予算区分:21世紀プロ(IV系)
  • 研究期間:1999~2001年度
  • 研究担当者:阿部英幸、鈴木達郎、本田裕