てんさい耐病性新品種「ユキヒノデ(旧系統名 北海83号)」
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要約
「ユキヒノデ」は、国際共同研究により育成した単胚・二倍体一代雑種で、そう根病および褐斑病に対する複合抵抗性を有し、また、健全ほ場において「シュベルト」より糖量が高く、高品質である。
- キーワード:てんさい、国際共同、そう根病、褐斑病、複合抵抗性
- 担当:北農研・畑作研究部・てん菜育種研究室
- 連絡先:電話 0155-62-9271、電子メールchutaka@affrc.go.jp
- 区分:北海道農業・作物
- 分類: 技術・普及
背景・ねらい
てんさい主要病害の一つであるそう根病は、効果的な防除法がなく抵抗性品種による対応が不可欠である。北海道農研が1998年に育成したそう根病抵抗性品種「シュベルト」は、健全ほ場での糖量が少なく、不純物価が高いため普及の拡大には至らなかった。また、そう根病発病ほ場では、褐斑病をはじめとする他病害の発生も多く、複合抵抗性品種が強く求められている。そこで、北海道農研では、健全ほ場での糖量が多く、不純物価の低い複合抵抗性を有するそう根病抵抗性一代雑種品種の育成を進めてきた。
成果の内容・特徴
- オランダのアドバンタ社との国際共同研究により育成した系統である。
- そう根病発病ほ場における糖量は「シュベルト」並であり、そう根病抵抗性は“強”である(表1)。また、褐斑病抵抗性が“強”であり、黒根病の発病指数も低く、複合抵抗性を有する(表3)。
- 健全ほ場における根重および糖量は「カブトマル」よりやや少ないが、「シュベルト」と比べて根重、根中糖分および糖量が高い(表2)。
- 「カブトマル」および「シュベルト」と比べて不純物価が低く高品質である(表1、表2)。
- 耐湿性が“中”である(表3)。
成果の活用面・留意点
- シュベルト」に置き換えるとともに、北海道一円のそう根病発生地帯に普及する。
- 褐斑病抵抗性が“強”であることから、同病害の被害面積拡大の回避並びに農薬散布回数の軽減が期待される。
- 根腐病抵抗性が“弱”なので、適期防除に留意する。
具体的データ



その他
- 研究課題名:てんさい病害抵抗性一代雑種品種の育成
- 予算区分:交付金
- 研究期間:1999~2005年度
- 研究担当者:高橋宙之、田中征勝、大潟直樹、田口和憲、岡崎和之、川勝正夫、藏之内利和