ばれいしょでん粉特性の収穫日による影響
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要約
でん粉用ばれいしょのでん粉特性は、早堀に比べ枯凋期収穫では平均粒径は大きく、リン含量、ピーク粘度、ブレークダウンは高く、アミロース含量、糊化開始温度は低くなる。
- キーワード:リン含量、平均粒径、粘度特性、糊化特性、アミロペクチン鎖長
- 担当:北農研・畑作研究部・品質制御研究チーム
- 連絡先:電話0155-62-9278、電子メールnoda@affrc.go.jp
- 区分:北海道農業・流通利用
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
ばれいしょでん粉は特有の性質を有することから、様々な固有用途がある。でん粉原料用のばれいしょは網走、十勝を中心とした道東地域で主に栽培され、ばれいしょの収穫時期は8月下旬から9月下旬となっている。本研究では、でん粉原料用6品種・系統(紅丸、アスタルテ、サクラフブキ、コナフブキ、アーリースターチ、北海87号、いずれの品種も枯凋期は9月下旬)を用いて、収穫日の違いによりでん粉の物理化学的特性にいかなる影響を及ぼすかを検討する。
成果の内容・特徴
- でん粉の平均粒径は、収穫日の遅いものが有意に大きく、でん粉中のリン含量は、収穫日が遅くなると有意に高い(表1)。
- でん粉の粘度特性値は、収穫日の遅いものは早いものと比較してピーク粘度、ブレークダウンがともに有意に高い(表1)。
- リン含量とピーク粘度との間には高い正の相関性が認められる(図1)。
- アミロース含量、糊化開始温度は、収穫日の遅いものが有意に高いが、それらの差異は小さい(表1)。
- 糊化熱、アミロペクチン鎖長分布は、収穫日の違いによる有意な差異は認められない(表1)。
成果の活用面・留意点
- 道東の畑作地帯において、ばれいしょをでん粉原料用として利用する際の基礎資料として活用する。
- 粒径が大きいこと、または粘度が高いことが要求される固有用途の場面において、原料用ばれいしょの品種および収穫日を選定する際での有益な情報となる。
- 固有用途で求められるでん粉特性に関しては、今後の研究で明らかにする必要がある。
具体的データ


その他
- 研究課題名:ばれいしょ塊茎の糖質変動の解明
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2001~2003年度
- 研究担当者:野田高弘、津田昌吾、森元幸、瀧川重信、遠藤千絵、斎藤勝一、山内宏昭