超強力粉ブレンド中力粉生地の中華麺適性
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要約
適当量の超強力粉(勝系33号)を中力粉(ホクシン)にブレンドすることによって、色相がやや劣る以外中華麺用粉の麺に近い品質の麺が得られる。
- キーワード:中華麺、超強力粉、中力粉、物性、色相、糊化特性、官能評価
- 担当:北農研・畑作研究部・品質制御研究チーム
- 連絡先:電話0155-62-9278、電子メールyamauti@affrc.go.jp
- 区分:北海道農業・流通利用
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
超強力粉とは、カナダの小麦銘柄のCanada Western Extra Strong Wheat (CWES)の様な小麦から得られる小麦粉のことである。この小麦粉の特徴は強力粉以上に強靱なグルテンを持っていることである。最近、このCWESとほとんど同じ特性の超強力小麦が、北海道農研・麦育種研で育成され、勝系33号として品種登録された。本研究では、超強力粉(勝系33号)の利用法の1つとして中華麺に注目し、超強力粉をブレンドした北海道の代表的中力粉(ホクシン)の中華麺適性を中華麺の物性、色相、官能評価、分離したデンプンの糊化特性、アミロース含量により評価する。
成果の内容・特徴
- ブレンド粉の中華麺(ゆで麺)の物性評価から、勝系33号とホクシン25%:75%、50%:50%のブレンド粉からの中華麺は、代表的な中華麺用粉(PH)の麺に比べ、麺の物性(BF、BD、BE)がやや強いが、麺の弾力と関係するBF/BD値が同等の値を示し、全体的傾向としてPHの麺に近い物性を示した。また、超強力粉(勝系33号)のブレンドによってホクシンの中華麺物性は明らかに強くなることが判る(表1)。
- 勝系33号とホクシン25%:75%、50%:50%のブレンド粉からの中華麺の色は、明るさ(L*)がやや低く代表的中華麺用粉(PH、1CW)の麺に比べやや劣っている(表1)。
- 勝系33号とホクシンの25%:75%、50%:50%のブレンド粉のデンプンは、HRWに近い糊化特性を示し、アミロース含量は、中華麺用に利用される小麦銘柄(PH、HRW、1CW、DNS)に比べやや低い値を示す(表2)。
- 勝系33号とホクシンの25%:75%、50%:50%のブレンド粉の中華麺の食感の官能評価結果は、PHの中華麺と比べ同等かやや劣る(表3)。
成果の活用面・留意点
- ブレンド原料の小麦粉品質の年次、ロット変動等がブレンド効果に影響するので、最適ブレンド量を事前に検討する必要がある。
具体的データ



その他
- 研究課題名:北海道産硬質小麦粉生地の物性・デンプン特性の評価・解析と最適ブレンド技術の開発
- 予算区分:新事業創出(生研機構)
- 研究期間:2001~2005年度
- 研究担当者:山内宏昭、遠藤千絵、野田高弘